こんにちは!桐川右煌です。
本日のお題は『不幸自慢』。
ある日の鑑定中のことです。
お客様、桐川にこう仰いまして。
「桐川さんはいいですよね。
こんな風に店舗を構えて自分の好きな事が出来て。
ホント、羨ましいですよ。
桐川さんには私の気持ちなんてわからないとは思いますが…
主人は出世もせずお金に余裕はないし、私は今まで働いたことがないから今更働けないし…
あーあ、どうしてあんな主人と結婚してしまったんでしょうね…
それにね、私の友達なんてご主人が出世して、軽井沢に別荘があるからしょっ中連れて行ってもらってるんですよ!
桐川さんも羨ましいけど、友達も幸せそうで羨ましいです。
…で私はどうしたらいいんでしょうか?」
ちょっと言わせてもらってもよろしいでしょうか?
…私も、そのお友達が超羨ましいんですけど
神様「オマエ、アホなのか?
一緒になって羨ましがって、どうするんだよ?」
桐川「いやついつい…すみません
でもですね、ご主人出世で軽井沢別荘有りなお友達が羨ましいのは、私もハゲしく同感なのですが…
お客様の言ってたことが私の中ではなんですよね〜」
神様「オマエには『私の気持ちなんてわからない』なんて言われていたしな。」
桐川「そうなんです…
わからないんですよ、お客様のお気持が。
だってお客様、『私は今まで働いたことがない』と仰ったじゃないですか!
『働いたことがない』って、スゴいことですよね」
神様「オマエ、ソコ?
ソコに反応するわけ?」
桐川「いやだってね、私、学生の頃も結構バイトしてましたし、卒業後からずっと今まで働いてますでしょ?
それに今も【誰かさん】のお陰で働き続けているのに、ですよ?
『働いたことがない』人も、このお客様のようにいるにはいるのでしょうが…
私にはお客様のお気持ちが全く想像できません…」
神様「【誰かさん】って私のことか?
まぁ確かにオマエを働かせてはいるがな!
だがオマエはあの客の、もっと違うところに反応しているのかと思ったよ。」
桐川「あぁ、私を『羨ましい』と仰ったことですか?
たまーにですが、そう仰るお客様、いらっしゃいますよね。」
神様「オマエって、悩みがなさそうだもんな。
愚痴は多いくせにな!」
桐川「それは神様のせいでもありますよ!
ほら【和顔施】修行とかしてるから、あまり私から負のオーラは出てないんじゃないですか?」
神様「まぁ、そうだな。
『貴方も私と一緒で不幸そうだから私の気持ちもわかるでしょう?』なんて言われたら、占い師失格だからな!」
そんなやりとりを神様としていたのですが…
たまにですね、このお客様のように不幸自慢体質な方がいらっしゃいます。
ウチはご相談業ですから、不幸話はしてもらっても全然大丈夫なのですが。
いやむしろ、ご相談内容をいろいろお話くださる方が鑑定はしやすいので有り難いのです。
しかしながら不幸自慢となると話は別でして…
その場合は不幸を解決したいのではなく、ただ不幸な自分を自慢したいだけなので、何の解決にも至りません。
その場合には、大抵、スパルタ神様からキツーいお言葉が降りて参ります
このお客様の場合もそうでした
神様「あーあ、もう聞いてられん!
結局、この者は不幸自慢したいだけで何の進歩もない!
『そうですか、それは大変ですね』なんて、絶対に言うんじゃないぞ!」
桐川「そんな風に言ったら、この方の思うツボですもんね。
『ああ、私の不幸をわかってくれる!
どう?私ってスゴく可哀想でしょう?』
って結局不幸で可哀想な自分を認めてもらいたいだけなんですよね。」
神様「その通り。
それでは全く魂は成長せんし、同情を得たところでますます不幸自慢体質は強化されてしまう。
ここはビシッと言ってやれ!
『感謝しろ。でないとより不幸にしてやる!』と!」
桐川「うっわぁ〜、神様…滅茶苦茶言いますね
これはお言葉を緩和してアドバイスしないと、お客様にはなかなか通じないと思いますよ!」
神様「オマエ、絶対に甘やかすんじゃないぞ!
でないと承知せんからな!」
そう神様に半ば脅されながら、桐川、お客様への鑑定を続けました。
桐川「そうですか…
今まで働いたことがないんですね。」
(↑桐川、ココにこだわります)
お客様「はい。私、これからも働きたくないんです。
主人は働いてはいますが、給料はそんなに多くはないのであまり贅沢なんて出来ませんでしょ?
だから日々我慢で大変なんです。」
桐川「働かないで過ごせる毎日って、本当に有難いですね!」
(↑桐川の本音です)
お客様「有難くなんかないですよ!
主人は私に肩身の狭い思いばかりさせて…
お陰で私はたまに友達と旅行に行くので精一杯。
本当に面白くも何ともない毎日です。
主人と喋っていても全然楽しくないし。
あっだから私、主人とじゃなく友達と旅行に行くんですよ!
主人ってね、何を言っても黙ってるから面白くない人なんです…
ね、こんな主人、どう思います?」
桐川「ご主人、あまり余計な事を言わない、賢い方なんでしょうね。」
お客様「そうかしら?
だけどホント面白くないのよね…」
桐川「それって、貴方の話が面白くないから黙ってるんじゃないですかね?」
お客様「えっ!」
桐川「伺ってますと、愚痴が多いようですので…
愚痴って、聞く方は面白くないですからねー。
黙ってしまうご主人のお気持ちもわかる気がします。
だったら貴方の方から、笑えるくらいの面白い話でもしてみてはいかがですかね?」
お客様「…」
桐川「それにお友達と旅行も良いですね!
それって、ご主人のお給料で行かせてもらえているんでしょう?
旅行かぁ!いいですよねー。」
(↑これまた桐川の本音です)
お客様「そうですけど、たまにですし。
でもさっきも言いましたが、友達なんて軽井沢に別荘ですよ?」
桐川「上を見ればキリがありませんよ。
でも貴方が旅行に行けるのは、間違いなくご主人のお陰でしょう?
それに、働きたくない貴方が食べていけるのは、働いてくれているご主人のお陰でしょう?」
お客様「まぁ、それはそうなんですが…」
桐川「で、ご質問の『どうしたらいいのか』なんですが、今のままでもいいんじゃないですか?」
お客様「今のままじゃイヤなんです!
もっと良い生活がしたいんです!」
桐川「では貴方が働くしかないですね。」
お客様「それはイヤ。
私は絶対に働きたくないの。」
桐川「だったら今の状態に満足しないと。
それと、貴方の生活費を稼いでくれて、たまの旅行を許してくださるご主人には、ちゃんと感謝しないといけませんよね!」
その後お客様は黙り込んでしまわれ、テンションは一気に下がり、この鑑定は終了となりました。
神様「アレって、ただオマエの本音をぶつけていただけのような気もするが…
まあいい。
あの客も少しは懲りたろう。
コレを機に【感謝の気持ち】を持ってもらいたいものだな。」
桐川「神様ぁ…
私、フツーにあのお客様が羨ましいんですけど!
たまにお友達と旅行に行けるんですよ!
こんな幸せなことってありますか?
その上、お友達は軽井沢に別荘
いやぁ、上には上がいて、超羨ましいですー!」
神様「やっぱりか…
あの鑑定は、ただのオマエの本音トークだよな」
桐川「わーん、羨ましい、羨ましい、羨ましい」
神様「えーい、うるさいわい!
それにオマエ、【誰かさん】のお陰で働き続けている…などと文句を言いおって!
本当に言いたい放題だな!」
桐川「その通りでしょ?
日々こき使われて…
もう少し余裕のある生活をさせてくれたっていいじゃないですかっ!」
神様「あー、オマエと喋るの疲れるわぁ。
【愚痴って聞く方は面白くない】からなぁ!
それに【上を見ればキリがない】んだろう?
【今の状態に満足し感謝が必要】じゃないのかね?」
桐川「…神様と喋るの、もうヤですっ
揚げ足ばっかり取るんですもん
ヤダヤダ、もううんざり!」
不幸自慢させてください…
ウチの神様、スパルタなんですー
全然お話が通じないんですー
…って言ったところで、神様相手にどうにもならないのでやめときます。
不幸自慢…したいお気持ちはわかりますが…
幸せになりたいなら、今幸せであることに気づくこと!
それが一番だと思います
それでも辛いときには、不幸自慢ではなく、どうすれば良いかを聞きに、是非おいでください
本当に幸せを願うのなら、神様もきっと協力してくださると思いますよ