病室から愛を込めてボイトレのお話ーその8 | 桐ヶ谷仁 の Wonderful Voice

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キリガヤ・メソッド 主宰 ボイストレーナー 桐ヶ谷仁のオフィシャルブログです。

今日は月曜日、教授回診の日でした。

しかーし、ちょうどシャワーの予約時間とバッティング。

当然シャワーを優先した私です。

ひとり一人のカルテを持つでもなく、部下の医師をゾロゾロ連れて来たところで、何が分かるんだろう、っていうのが私の感想。

白い巨塔風景も一度見れば十分。

担当の医師がしっかりしてればそれで良い。

でも部下の医師たちは緊張しまくり千代子←これわかる人は同世代(笑)すごい権力構造なんだろうね。

 

それでは、ボイトレTips 始めましょう。

 

リップトゥリルってやったことありますか?

唇をプルプルプルっと振動させるアレです。

何のためにやるのか、あなたの先生は教えてくれましたか?

 

○ 顔や口や喉をリラックスさせるため。

◯ 歌ったあとの緊張した筋肉をマッサージするため。

どれも間違いではありません。

でも、どれも一番の目的ではありません。

 

何のためのエクササイズなのか?

 

それは声帯の振動を唇でシミュレートするという、声帯振動を意識するための、とても効果的なエクササイズなのです。

何も考えずにプルプルやっていても意味がないのです。

あるのはマッサージ効果だけです。

 

しばらく私は対面レッスンが出来ないので、もう少し美味しいところを書いちゃいます。

 

リップトゥリルをした場合、3つの状態があります。

 

1、まずひとつ目は唇を閉じる力が弱くて、唇がすぐ緩んで離れてしまうのでリップトゥリルが続かない。

 

2、もうひとつの状態は、唇はしっかり閉じているけれど、力の入れ方が的確ではないため唇の振動まで押さえつけて振動を止めてしまう、つまりこれも振動が続かないという状態。

 

3、そしてもうひとつは唇がしっかり閉じて、なおかつ唇自体のリラックスがキープ出来ていて、プルプルプルとリップトゥリルが続く状態。

 

この3の唇のように声帯を振動させれば良い声が出るわけです。

 

3のようにプルプルが続くようにするには「唇を閉じる力」と「唇そのもののリラックスをキープする」という相反するような力加減がポイントになります。

これも対面でレッスンすれば修得は早いんですけど、しばらく療養ですみません。

 

ちなみに1の唇の状態を声帯で行っても声にはなりません。

2の状態は、あの忌まわしき「喉声」状態です。

 

ということで、今日はリップトゥリルのTipsでした。

ではまた、明日。

 

あー、病院食じゃないものが食べたい。