病室から愛を込めてボイトレのお話ーその9 | 桐ヶ谷仁 の Wonderful Voice

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キリガヤ・メソッド 主宰 ボイストレーナー 桐ヶ谷仁のオフィシャルブログです。

今、担当の医師が回診に来て「山火事はほぼ消えた状態ですが、まだチョロチョロっと小さな火が残っているので、しっかり消化するまでステロイドの減量と新薬アクテムラの効果のバランスを見ながら引き続き治療します」とのお話でした。

分かりやすい説明だよね、優秀な先生で良かった。

 

それでは、ボイトレTipsを始めましょう。

 

昨日はリップトゥリルのTipsでしたが、レッスンを受けるときに「このエクササイズは何のために、そしてどんな効果があるのか」ということを、あなたが納得出来るように説明してくれるトレーナーを選びましょう。

リップトゥリルの説明などは本当に良い例です。

 

さて、発声するとき、「あー、えー、いー、おー、うー」っていう順番でやるでしょう。

何で「あー、いー、うー、えー、おー」って素直にやらないんでしょう?

 

日本語で母音を発声するときは「あー、えー、いー、おー、うー」の方が何かメリットがあるのでしょうか?

いいえ、「あー、えー、いー、おー、うー」も「あー、いー、うー、えー、おー」もまったく関係ありません。

どちらでやっても何も変わりません。

キリガヤ・メソッドでは素直に「あー、いー、うー、えー、おー」の順番でやります。

 

あなたのトレーナーはその先生のその先生のそのまた先生の・・・が、そう教えてたから、それを続けているだけで、そんなこといちいち考えてはいないのです。

 

「効果が同じならどっちでも良いじゃないか、プンプン!」という声が聞こえてきそう(笑)

でも、ここで言いたいのは「このエクササイズは良い声のためにどんな効果があるのか」ということをレッスンを受けるときに常に意識して欲しいということなんです。

 

このエクササイズで身体のどこがどうなって、それがどのように良い声につながって行くのか、っていうことを意識できればスキルの習得は格段にアップします。

 

さて、話を戻します。

「あー、えー、いー、おー、うー」という順番の理由はアルファベットをAから言い始めるとこの順番で母音が出てきます。

 

「A-bcd-E-fgh-I-jklmn-O-pqrst-U-vwxyz」ですね。

 

英語で発声練習をすると「エー、イー、アィー、オー、ユゥー」とやります。

すでに「あー、えー、いー、おー、うー」じゃないんです(笑)

誰が始めたんだろう、こんなこと?

 

「ボイトレは難しい」よく聞く言葉です。

でもそれは「何のためにそのエクササイズをやっているのか」が、わからないまま、ただただ繰り返しているからです。

 

ボイトレは発声というものを「声帯の物理的な動き」で実現するトレーニングです。

1+1=2の世界なのです。

難しくないのです。

感性が8割以上関わるボーカルレッスンの方がよほど難しく、複雑なんです。

 

私はアマチュアだからとか、まだ初心者だからという理由で、とりあえずボーカルレッスンをやって、必要ならボイトレを、というのは真逆の考え方です。

予算のこともあるでしょうが、きちんとした理論をもち、説明と実践ができるトレーナーにつくことが大事です。

初心者でも、経験豊富な人も、良いレッスンを受けてなくては何も身に付きません。

 

色々なレッスンを渡り歩いて効果がなくて、結局は高いレッスン料を払い続けてきた生徒を何人も見てきました。

良いトレーナーについた方が結果的にリーズナブルなのは明白です。

とくにボイトレの世界はそう思います。

 

ということで、また明日も書きます、まだ入院してますので(^-^)

 

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