病室から愛を込めてボイトレのお話ーその6 | 桐ヶ谷仁 の Wonderful Voice

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キリガヤ・メソッド 主宰 ボイストレーナー 桐ヶ谷仁のオフィシャルブログです。

昨夜は入院以来初めて7時間睡眠できました。

夜中に一度目覚めて、その後二度寝という状態ではありましたが、かなり通常の身体に戻ってきている感じです。

副作用がなければずーっとステロイドを飲み続けていたいくらい、程よくハイな私です(笑)

今日も元気です!

 

さてボイトレTips 続けます。

 

「ピッチの話はまだまだ深いので」というところから続きます。

おいおい、発声の話をしてよ、って言ってるあなた、声の話はみーんな声帯のコントロールにつながっているんですよ、まあ、お付き合い下さい(^-^)

 

ピッチを良くしたいと悩んでいる人は多いと思いますが、悩んでいる人は良くなる可能性が大です。

ピッチの悪さに気がつかない、あるいはズレている音程の幅がとても広い、つまり許容範囲の広い人は、まず正確なピッチそのもを聞き分けられるようにならないとピッチ矯正は無理です。

 

さて、ヒトは音程をどうやってコントロールしているのでしょうか。

それは声帯の振動数を変化させることで音程をコントロールしています。

 

高い声を出すときは感覚的に上を向いて首を伸ばすような動作をしがちですが、首を伸ばしても音程のコントロールに関しては害の方が多いのです。

 

わかりやすくギターで説明しましょう。

ギターの弦をチューニングするときはペグを巻いたり緩めたりして音程を調整しますが、セスのメソッドでは声帯の振動幅を狭めたり広めたりして音程をコントロールしていきます。

これ、相当美味しい話ですよ。投げ銭は遠慮しません(笑)

 

つまり、ギターのフレットを押さえる場所で弦の振動幅が変わりますね、それによって音程が変化するという原理で声帯をコントロールするのです。

 

どうやって?ということになると、レッスンで実践すればすぐ出来るようになるのですが、文章でレクチャーするのは難しい。

けれど、実感できるかわかりませんが1つのやり方を書いてみます。

 

まず、なるべく熱唱系のバラードで低い音から高い音程へ音が持ち上がるサビの部分を自分流の歌い方で歌います。

音程を上げるときに自然に上を向いたと思います。

 

さあ、次はいよいよ声帯の振動幅を狭くして音程を上げて歌う方法です。

 

まず、立ち方です。

足を肩幅くらいに開いて立ちます。

あ、ハイヒールは脱いで、または底が平らな靴で。

 

次が大事です、膝はしっかり伸ばします。

曲げたり緩めたりしてはいけません。

 

この後、状態を前傾させますが、このとき膝でバランスをとってしまうと十分なテンションが横隔膜に掛からなくなってしまうのです。

あえてアンバランスな状態を作って的確に横隔膜に負荷をかけるのです。

 

この「膝曲げちゃダメ!」理論はキリガヤ・メソッドのオリジナルなんですが、これも横隔膜のコントロールが修得できれば「多少は曲げても良いよ」となりますのでご安心を。

ロボットが歌っているみたいじゃ、かっこ悪いですものね(笑)

 

では、歌ってみましょう。

サビの音程が持ち上がるところで「30度くらいジワーっとお辞儀をしながら」歌い続けます。

明らかに高音の出かたが違うはずです。

顔を上げて歌った時と比べて高い声が出しやすくなったでしょう?

 

なーんにも違わない、変わらないっていう人は、残念ながら思いっきり喉声の発声になっている人です。

そういう人は無理をして続けないでください、ポリープ作っちゃいますから。

 

キリガヤ・メソッドは効果抜群ですが、ある意味「もろ刃の剣」です。

正しく理解して実践しないと逆効果になります。

強い薬は良く効きますが、的確に正しく使わないと副作用が出ます。

今、私が服用している薬のように。

 

ということで、このつづきはまた明日書きます。

 

今日のTipsは「投げ銭」と言わず「投げ万札」だな、と思ってくれる人に見てもらえたら幸せです。