Vol.674『過去生を思い出す旅?⑧』
小高い丘からマチュピチュ遺跡を見下ろした後はゆっくり降りて、遺跡の中に入っていきました。
たくさんの説明を受けました。
天体を観察する部屋やワシを意図したモニュメント、高貴な人たちが住んでいたエリア。
段々畑。
水路もありました。
高貴な方々が住んでいた場所の石の積み上げ方は剃刀も入らないほどの精巧さ。
一般の人が住んでいた場所はまあまあ、雑に積み上げられていました。
それまでみてきた遺跡もすべてそう。
ものすごい技術が使われていたと思います。
天体の勉強をしていた部屋もありました。
山々のどこから太陽が昇ってくるかで季節を知っていたかとか、その光がある穴から入ってくるとか、たくさんの智慧が遺跡の中に観られました。
その時、ふっと「私、ここにいたかも」という感覚がありました。
似たような経験をしていると、その場にあるエネルギーを拾ってしまうこともあるので、「それかもしれないな」と思ったりもしましたが、「ここにいたな」という感覚はその感覚でしかありません。
ここで勉強していたことがあるのかもしれないな。
そう思うと、その日の朝に感じた、侵略者として人を支配していた側の人生の感覚と、ここで静かに生きることを望み、天を読んでいた時の感覚が感じられて(こちらのほうがだいぶ前)、「これは一体、どうしたらよいのん?」と思いました。
マチュピチュの記憶がずっと前で、スペイン人として支配していた記憶はずっと後です。
それを二つ感じたとして、それが本当だったとして。
それを感じる意味は? と自分自身に問うと、結局、いつもの答えが返ってきました。
「どんな人だったか、どんな人生を送っていたかなどの細かなことを思い出すことに意味はない。結局、その時、人生をどう生きていて、何をなしえなかったか、だ」と。
そう思うと、マチュピチュではよりよい人生をと節に願い、平和を願い、けれど、隠れて生きた人生でした。
他国から支配しにきていた時はその行為が間違えていることを知っていたけれど、大きなうねりに逆らうことはできず、それが正義だと思おうとしていた。
人生を悔いているとしたら、心から願う人生を生きることができなかったこと。
言い換えれば、正しいと思うことができなかったし、恐れから解放されることもなかった。
どんな人生を送っていようと、遺恨はそこ。
だから、結局はいつでも、どんな時でも、「どう生きるか?」を問われているんだなあと思いました。
別の言い方をすれば、過去生なんて、既に終わってしまったお芝居と同じ。
本来は今に影響を受ける必要もないわけです。
でも、なしえなかったことは記憶に残る。
人を信じられなかった。
声を上げられなかった。
こんなことはしたくなかったのに。
皆にとってよいことができなかった。
自分を守ってしまった。
愛を信じれなかった。
愛せなかった。
思いを伝えられなかった。
そういうことをもう一度、クリアにしたい、ということだけなんですね。
過去に商人であろうと、奴隷であろうと、貴族であろうと、盗賊であろうと、結局は真実に沿った生き方をするという、それだけを私たちは選択していかなければいけないんだな、と思いながら、遺跡を降りてきました。
人生はお芝居と同じですが、本物のお芝居と違う点は、自分でどんな人生を送るかはいつでも決められるということです。
でも、みんな、変えようとしない。
流れに流されてしまう。
過去生を思い出す理由は、過去の遺恨に流されることではない。
支配されたことを恨むためではなく、支配したことを後悔するためではなく、愛に沿った自分の選択を今度こそきちんとしていくこと。
それを思い出させてもらったなあ、と思いました。
バスでマチュピチュ村まで戻り、おいしい夕飯。
そこで、コロナ発生時期にマチュピチュ村から出れなくなってしまった男性と出会いました。
当時、空港も閉鎖されましたが、お金がある人はチャーター便で帰れた。
でも、20代の彼はお金がなかったので、マチュピチュ村にとどまることしかできなかった。
お金がなかったから、自分ができることをして、現地で生活をさせてもらった。
そして、今ではマチュピチュと日本をつなぐ親善大使をしているという話でした。
それは、前から決まっていたこと。
きちんと意味があって、出来事が起こっているんだなあ、と感じました。
なんとなく懐かしい温泉街のような雰囲気のあるマチュピチュ村は居心地がよくて、その日のホテルは最初で最後のバスタブのある部屋で、ジェットバスに浸かりながら、いろんなことを考えました。
文明の利器、すばらしい~~。
ただ、ジャグジーを発動させると、赤や青や黄色のランプがエロくピカピカ点滅するのが残念でした(笑)。
静かに入りたい(笑)
マチュピチュ村の夜は案外遅くまで賑やかでした。
さて、翌日は朝日を求めて、また再登頂に挑戦します。
続きは次回(^^)。
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