久遠の愛 2 | KIRAKIRA☆

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こちらはスキップビートの二次小説ブログです。CPは主に蓮×キョ-コです。完全な個人の妄想の産物ですので、原作・出版者等は全く関係ありません。また、文章の無断転載は固くお断り致します。

※10万ヒットリクエスト!てん様から頂きました!!


必ず読む前に注意☆ に目を通してください!





今でも昨日の事の様に鮮明で



夢のようにもやがかかっていて



そして




胸を覆うこの感情は時効と言う概念を未だ存在させていない






最上家は華族の家柄で、当時はその中でも特に格式の高い名家だった。

後取りに恵まれず、やっと産まれたのは女子で


それが京子だ


その後当主は子に恵まれる事は無かったが、元々女系の家柄だったので特に問題となる事もなく先代同様婿養子を取った。

その最上京子と結婚した尚は京子とも幼馴染で、当時の世間でさえ少し早い結婚も特に問題なく行われたと聞いている。



京子は尚を慕っていたし、尚も入り婿という立場とは別に京子を大事にしていた



問題なく




このまま二人穏やかに生活をしていけるハズだったのだ




幸せに









「母が貴方に会ったのは・・・・母が16の頃だと伺っています・・・」


「・・・・・・・・・・・・・」




久遠の言葉に蓮は反応を見せずに目を閉じたままだった


まるで当時を思い起こす様に


そんな蓮の様子を注意深く久遠は観察するが・・・・・蓮にとって「思い出す」という行為自体必要としなかった。
常に自分の日々と共にあったのは


あの「時」





探る様な言葉にも蓮は無反応で、一体何を思っているのかさえ判らなかった。

先ほどの怒りは、蓮の見せた涙によってすっかり矛先を失ってしまい


その事実に、消化不良の想いが胸にしこりの様に残っている




それでも・・・・確認しなければならない事がある


それでも、伝えなければならない事がある



例え、自分が暴きたいものの正体を理解できずにいても




「貴方は・・・・母のピアノの手習いの先生だったと・・・」



当時貴族の令嬢が手習いに楽器を習うのは、一種の嗜みだった





ピアノの教師と生徒





それだけだったのだ





最初は










それは約20年前にさかのぼる








夕焼けの空の下、屋敷中に流れるピアノの旋律のメロディーに、屋敷で働く人々は口をほころばせた。

それは、この音がこの屋敷の奥方のものだと知っていたからだ。



若い・・・というよりも幼くして結婚してこの屋敷の女主人となった京子を屋敷で働く人々は皆慕っていた。

礼儀正しく、優しく、無邪気な女主人を


彼女の人柄がそのまま反映されたような音色は、一日の仕事を終えて疲れた心に染みわたっていった。


そんな中、窓の外から聞こえる馬車の音に、京子は鍵盤を弾いていた指をピタリと止めた。

窓から見える馬車に、慌てて部屋を飛び出す。


それが、誰の帰宅を知らせるものか知っていたから、京子は頬を紅葉させて階段を下りて行く。

途中、使用人がそんな京子の様子を微笑ましそうに見ているのにも気づかずに。



最上尚は最上家の婿養子だったが、その立場に見込まれるだけあってそれなりに優秀な人間だった。

最上家の掲げる事業も大きく発展させ、何よりその見た目は社交の場でも注目の的だった。


「ショーちゃん!お帰りなさい!」


馬車から降りた尚は抱きついてくる京子に驚き、受け止め損ねて背中を馬車の側面にぶつけてしまう。



「ッテーな・・・・京子、落ちつけよ」


「あ・・・ゴメンナサイ・・・・だって2日ぶりだったから・・・」



シュンとなる幼な妻の頭に苦笑してクシャリと頭をなでてやる。

それだけでフニャリと笑顔になる様子に、笑い、鞄を預けた


「さっきまでピアノ弾いていただろ」

「うん!聞こえていたの?」

「少しな。上達したか?」


二人会話をしながら屋敷に入っていく。

尚がこの二日ほど、商談で横浜の方に行っていたので京子は嬉しくて仕方なかった。


「で、いつになったら俺にお披露目してくれるんだ?」

「もう少し、今の曲がもっと上達したらね」

「いつの事になるやら」


からかう様な口調に、少し頬を膨らませると尚が軽く頬に口付けを落としてきた。

それだけで真っ赤になる妻を満足そうに見ると、軽く伸びをしてあくびを噛み殺した

「わりーけど、出張で疲れているんだ。少し休む。」

「うん。お疲れ様。夕飯になったら呼ぶね」


「ああ、頼む」



そう言って、屋敷の中に入って行く尚の身体からふわりと香水の香がしたのを京子は気付いて



ほんの少し眉を下げた。








尚との婚約は自分が物心つく前から決められていた。

そして物心ついた時には結婚する年齢が決まっていた。



先代が病床についた事で少し早まり、14で結婚した京子にとって「尚」が全てだった


夫として以前に・・・「男」としても





「・・・・・・・・・・ン・・・」

「・・・・・力抜け」


久しぶりの夜の 営み

自分を組み敷く夫の言葉に答えたいと思うが、未だに夜の 閨は苦手だった。
恥ずかしいし、痛みがいつまでも消えない。

どんな声をどんなタイミングで出せばいいのかも判らない



「・・・・・・今夜はもう、辞めるか?」


「え・・・・っや・・・・ッ」



苦手であって、嫌いとか、嫌ではないのに・・・尚が自分を気遣う姿に慌てて腕をつかんだ。
大丈夫だと伝えると、再開される行為に安堵する。


夫婦の夜の 営 みは大切な事だと判る。

後継ぎを産むのは大事な自分の役目だ。


夫に任せればいいと皆は言うが、尚の求めているもの対して答えられているのかいつも京子は不安になる。



「・・・・ぁっ・・・!」


低い尚の呻きに似た声

自分の中に感じる熱




尚の事が好き

キスも
抱擁も

でも、それ以上の事はまだ身体がついていかない。


このままじゃダメだ


もし、自分に今子供が出来たら



きっと夫は安心して他の女性でその欲望を埋めるだろう。







「何も心配する事なんてありませんよ?妻の立場は特別です。あの様な方々とは違うのですから」


貴族の奥様方の会合で、よく耳にする話題。

この時代、男は外に妾を作る事はよくある事だった。


個人で囲っていなくても、馴染みの店に馴染みの女がいる事は何も珍しいことではなく


そこが一種の社交の場にもなっていたので、付き合いとして行く事もある意味避けては通れない事であった。


年若くして当主の座に就いた尚が付き合いも兼ねて店に通っている事を京子は知っていたが、同時に「その程度の事」で目くじらを立ててはいけないとも教えられていた。


見て見ぬフリをして、妻としての余裕を持てと

男性は、外の女性と中の妻に求めているものが違うのだから、と。


だが、政略結婚がほとんどの貴族社会の常識は、尚自身を慕っている京子には不安にしかならなかった。



「だったら・・・・私がもっとちゃんと出来れば・・尚ちゃんは外の女性の所に行かないのかな・・・」


尚が外の女性に求めているものを自分でも埋めて上げる事ができれば・・・



そんな京子の呟きを拾ったのは、ある貴族のご婦人だった



「京子さんったら可愛らしい事を言うのね。」


「そんな事は・・・」



聞かれてしまった言葉と内容に思わず真っ赤になる。

要は夫婦の 閨 の事なのだから、まだまだ話題に参加するには京子は幼すぎて・・・そして純粋すぎた。



「不安なのは、他の世界を知らないからじゃないかしら」


「他の・・・世界?」


「私もかつてはそうだったの。夫が世界の全てで・・・でも、夫は私が世界のすべてでは無くて、上手くいかなくて当然よね?」



クスクス笑う夫人の言葉の意味が判らなくて、京子はキョトンと首をかしげた。

社交界の顔で、夫が外交官で子供にも恵まれているその夫人は皆の憧れで、だからこそ言葉には説得力があった。



「今はとても上手くいっているわ。夫も私がいないと生きて行けないなんて言うのよ?」


「え・・・・・」


夫人の赤 裸 々rな告白に、京子の目に希望が灯った。

身を乗り出す京子に、その夫人はそっと耳打ちをした。


その内容は・・・あまりにも京子には思いがけないもので、目を見開いた






尚を好きだった



愛していたのだ




だからこそ心に芽生えた誘惑

心に灯った希望



ホンの少しの好奇心



夫の全てを求めたが故に、口にした禁断の果実





きっとあの頃に戻っても再び口にしてしまうのだろう





その果てにあるものを知っていても






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