ナイルの庭

ナイルの庭

子供が巣立ち、空の巣症候群状態を経て
やりたいことリストを作り
少しずつ人生第2部が動き出しました。

4年前に屋久島縦走した

 

テントも念のために持参したが

避難小屋泊出来たために未使用の新品✨

 

あの時は右も左もわからず

2泊3日で宮之浦岳から白谷雲水峡へ縦走すべく

毎日の着替えや米、毎日のタオルまで全部60Lザックに詰めた

今は着替えがいらないことや

重い米や食材もいらないとわかる

特に服が案外重くなる

 

たぶん普通に持ち上げることが出来なかったので

重さは20Kあったと思う

無知とは恐ろしく

皆さんもそうやって担いでいるものと信じて

担いで歩く練習すらせずに

ぶっつけ本番で強硬した

 

案の定”屋久島フェリー”へ乗船する時の

2階への階段すら上がれなかった

 

屋久島の避難小屋でお話したご婦人たちは

何度も担いでみては減らし

このくらいなら担げるわってとこまで調整したと聞いた

まぁ最初ってみんな20Kくらいになるらしい

なんでもやってみないとわからないことがある

 

 

この夏に涸沢カールへ行く予定を立てた

ほぼ諦めていた上高地行きが

Mちゃんの「フジロックのあとに行くかもしれない」

の一言で実現化したのだ

もしかしたら向こうで合流できるかもねってことで

俄然やる気が出てきた

 

片道15キロの道のりを

テント装備で歩きとおす!

目下の目標が出来た

まずは軽量化に向けて案を練る

 

そしてくじゅうの坊がつるへテント泊の練習を積もう

 

オスプレイのザックは結局11Kgになった💧

テント、シュラフ、エアマット、ザックだけで8Kだった

ザックが重いのかな

なにしろ屋久島の前日にシェルパに走って

これしか合うのがなかったのである

 

屋久島の時より体感半分だし

いけるでしょ!と高をくくって余裕をかます

 

4月25日 10時50分

やさしいコースの吉部登山口から行こう

500円をヤカンに入れいざ出発!

 

 

林道歩きが大半のこのコースは初めて歩く

 

 

たえず川のせせらぎが耳に届いて癒される~

 

 

 

渡渉があった

重いザックでバランス感が難しい

慎重に渡る

 

 

そして開始30分でギブアップ💦

バテるの早い😱

 

バレエに復帰して1年

かなり前よりも減量した

山歩きする分には平気だが、荷を担ぐ体力がない

 

うーむ これはもっと軽量化したほうがいいのかなぁ

エアマットをパタパタのやつに替えるか?

バナナを食べながら考える

ミツバツツジが目にまぶしい

さぁ頑張って歩こう

 

この日は今季最初の夏日と樹林帯の蒸し暑さで

体力が奪われきつかった

家を出るのが遅れたためにお昼になってしまったし

思ったように足が進まない

林道って足が滑るし歩きにくい💧

米俵を担ぐ気分で地図を確認する

 

まだ半分?!

着く気がしない

法華院山荘の生ビールを早く飲みたいよ~😭

 

ようやく鳴子川の橋に来た

タンポポが頑張れと言っている

 

 

花に癒され少し歩くと

坊がつるの広大な風景が見えた

写真ではあまりわからないが

それはそれは雄大な湿地が広がっている

 

”坊ガツルは九重連山(くじゅうれんざん)のほぼ真ん中にある湿原で、

高い山々に囲まれた広い盆地のような原っぱには

たくさんの貴重な植物が自生しています。

四季を通してキャンプする人が絶えず、

九州の山のオアシスと呼ばれています”

 

オアシスにやってきたどー

 

「ヒャッホー! 見えた~!」

人もいないし歓喜の雄たけびをあげる

と同時にここで一人で寝るのか?と

ちょっと不安にもなる

 

 

分岐点
外でテント泊をソロでするのは初めてだ
九州には熊はいないからいいけど
ワイルドだなぁとか今更ながらにビビってきた

 

 

皆さんのレポでよく見る最後の渡渉ポイントに

ニヤニヤして「コレコレ♪みんなのレポで見る場所だね」

横断歩道を渡るように歩く

思ったより川の勢いがよくてドキドキした

水量が多いとここは渡れないだろう

もっと先に法華院温泉山荘のほうから行ける道もある

 

三俣山への坊がつるからの南峰急登コースが見える

ここもお鉢回りしたなぁ

ミヤマキリシマの幹が膝に刺さって流血しながらも回ったよなぁ

 

 

そして何度か吟味して場所を変えながら今夜の我が家を決めた

ここをキャンプ地とする!ドドン🥁

 

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盗難防止のname入り

そしてファスナーの紐をワイヤーに変えた入り口のロックも完璧

 

初めて外で設営するも、練習の記憶があやふやで

1時間もかかった

カンカン照りの日差しの中

ペグを抜き差し中にまたもや指を怪我して流血したりで大変だった

ペグを抜く時は紐を持たないと

ロープ止めの引っかかりに指を刺してしまった🤕

触る時は必ず手袋のままでというのも反省点だ

 

 

テント場には炊事場とトイレもある

 

 

熱中症気味で疲労した足をひきずり

法華院温泉のオアシスへ500m歩く

山の中の法華院温泉は登山者にとっての夢の空間である

 

生を買って談話室で軽く何か食べよう

やっと人心地ついてガスなどを広げ

生ビールを飲む

カラカラに乾いた体にビールが染みていく

すべてはこの一瞬のためだ

幸せだなぁ✨

 

焼きイワシがサイコーのつまみでタンパク質も取れる

これは涸沢行きでも必需品だな

昼ごはん用に用意したシャケおにぎりは

15時に食すことに

ついでにカップ用どん兵衛も食べると

疲労もあってか次の日までお腹が空かなかった

 

自分で作るおにぎりが最強🍙
 
 

日が暮れる前に寝る用の服に着替え

スキンケアなどをするともうやることがない

 

思ったより狭いニーモの1pテントは

ザックの置き場すらなく身動きが取れない

2pにしとけばよかったなぁなどと思うが

軽さを重視するなら狭さは辛抱だ

 

この日前室に登山靴は置いたが

クロックスを外に出したまま寝てしまった

 

夜露でテントも靴も雨が降ったように濡れていた

小川の隣りに設営したら、水の音もうるさいし

ダブルウォールなのに夜露がすごかった

 

内部の小窓を寒くて閉めたら

風を通さないと結露がひどくなることがわかった

 

冷えてきてダウンを着込んでシュラフにもぐる

ダウンパンツも持参して暖かく過ごせた

プライムビデオでDLしてきた映画を見て

無理やり寝る

稲光りでたまにテント内が光ったり

外の音や獣の声が気になって全然眠れない

 

星空をとファスナーを開けるが

あいにく明日は曇りのようで

満点の星空は拝めなかった

 

うとうとしていたら空が白んでくる

いつの間にか眠っていたようだ

 

坊がつるの朝はやはり冷える

お湯を沸かしてワカメスープを作って飲んだ

暖かいものがありがたい

すでに撤収して出発した人がほとんどの

ガランとした景色を見ながら朝食を作る

やはりベテランさん達は動きが早いなぁ

 

朝ご飯はカルボナーラパスタを食べた

なんて美味しいんだろう

勝手が違う山で作る食べ物は格別だ

 

 

 

テントは昨夜10張りくらいあったろうか

色んな登山者と一緒なのが心強かった

 

結露でびっしょり濡れたテントを撤収して

朝8時、坊がつるに別れをつげた

 

 

夏まで何度もトレーニングに来よう

 

 

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馬酔木(あせび)の花

 

下山途中に一株だけあった 山芍薬の花

行きでは気が付かなかったなぁ

咲いてくれてありがとうねと声をかけて山を降りた

 

 

山みず木温泉に立ち寄り

ほぼ貸し切りの露天で1時間も過ごした

寝湯最高😆500円!✨

 

次回は暮雨の滝コースから行けるかなぁ

色々と改善点もわかり

次回のトレーニングに生かそうと思う

 

ありがとうくじゅう!

 

百名山は筑波山で足踏み状態

次は四国の剣山かなぁと漠然と思っている

 

最近、しま山100選というのがあるのを知った

宮之浦岳、弥山も入っていたが天草にもあった

 

しま山100選である烏峠は天草の御所浦という島にある

 

前に天草リアルバッジイベントの時にマークしていた山だ

天草は低山のため、夏は避けたほうが良い

 

行くなら今だとお仲間に打診

 

夜明け前に集合して遠足気分で船で島に渡った

嵐港に寄港する便 7時45分発だ

帰りは御所浦港から棚田港へ戻るコースにした

潮の匂いがして船が見えると
がぜんテンションが上がってきた
 
ごろ寝スペースで登山靴を脱ぎくつろぎモード
ウキウキが止まらなくなってはしゃぐメンバー
 
思ったよりも目的の嵐港に着くのが早くて

急いでバタバタと靴を履くが、アナウンスもないため

「え、もう嵐港?」

船長さん「ここであってますか?ほんとにここですか?」

と心配される

 

初めての場所にオロオロ

靴紐を閉めながら「まだ揺れてる気がする~~~」と言ったら

そこはまだ海に浮かんだ港のスペースで

「いやそこはほんとに揺れとるってば」と突っ込まれた

 

案内の通りに進み、島だし1本道だろうとのんきに歩いていたら

とっくに取りつきを過ぎていた

本線と思っていた道の向こうに、見えない細い通りがあり

病院で見えずに見落としてしまっていたのだ

 

アンモナイトロードコース

取りつきを見つけ、ほっとひといき

 

割と急登をしばらく上がる

「え、これどこまでずっと急なのよ」

低山と思って舐めていたら、案外きつかった

 

前日のバレエでこってりしぼられた脚が限界に。。。

 

あのトンガリを越えてきた

 

 

頑張った先に現れるこの景色に心が洗われる

天草のこの景色をあまり教えたくない気持ちになる

ここだけはオーバーツーリストの波が来ませんように🙏

 

チェーンソーアート① ビーナス

②はフクロウ

③はタツノオトシゴ

④鷹

 

 

烏峠 442m 登頂

 

 

いつみても天草の島々と海は美しい

 

記念撮影

 

 

山頂には🅟や🚻、東屋もあり

綺麗に整備されている

 

軽くおにぎりなどを食べて下山する

 

御所浦町は恐竜博物館にも力を入れていて

御船町に並ぶ恐竜の化石スポットでもある

 

 

下山後 Mちゃんは高レビューのお寿司屋さんに偵察へ

 

中に入ると結構な数の芸能人の色紙があった👀!

 

 

 

下山中、心の中で

「今 おビール飲んだら美味いだろうなぁ」

と思っていたことが現実に😋

これが引き寄せの法則か

 

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新鮮なネタを味わい大満足♪

 

チンピラ風に「にゃあー」と餌をねだるネコが出待ちしてた

 

 

島の住民は皆さん温かく

ほぼ全員が半生を語って来る

話し込んでたら船が来たので

メンバーで普通に乗ろうとしていたら

「それ違うよ、本渡港に行く船だよ」と止められた

青くなりつつ戻り、無事に棚田港へ帰る

 

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「裕次郎風に撮ってね」とリクエスト

 

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並ぶ裕次郎

 

 

 

しま山100選 3/100 
 
島旅気分の山行、楽しかった!
ありがとうございました😀

 

義父の急逝でバタバタと1ヶ月ほどが経過した

 

喪主である夫の挨拶は

マイクを前にこみ上げる涙をどうにもできず

数分の沈黙で始まった

 

打合せの時に「ご夫婦でご挨拶に立たれますか?」の問いに

「いえ私は結構です、喪主一人で」と答えた

その意味がその時にわかったのだ

 

平気そうに見えていた彼は子供のように泣いていた

 

あぁ、私も一緒にマイクの前に立つべきだった

そう後悔した

 

だがまた、今まで私一人が矢面に立ちワンオペで来た

嫁にすべてを丸投げしてきた彼の脆さでもあるのだ

一人で乗り越えなければ強くなれないことがある

そうも思った

 

 

あれから毎日、無人となった実家に行き

お線香と焼酎をあげている

空気を入れ替え掃除をし、ホコリだらけの仏壇を磨き

溜まったお位牌を過去帳に移行する段取りやらを調べたりと

日々なにやらと追われて過ごしている

 

いつもニコニコして朗らかな父は

常に人に囲まれていた

女性にモテて最後までガールフレンドたちに献身的に尽くされ

心から惜しまれてあの世に帰って行った

きっと幸せな人生だったに違いない

 

 

 

山の仲間に誘われて

春の訪れを知らせる福寿草を見に行った

登山口までが遠い九州脊梁は

暗いうちに家を出て山道をクネクネ進んだ秘境にある

平家の落人の里であるようにとても山深い

 

9時スタートの岩宇土登山口は

すでに原生の山を感じるように

はっきりとしたコースではない

誰かがたどった踏み跡を

無理やり登る雰囲気だ

 

こんな取り付きに

女二人はヒーヒー言ってすぐに

靴の紐をキツく締め直した

まるで野生の馬にまたがるようだ

 

スタート地点で、私はなんとその時まで

違う地図の優しい山を見ており

勘違いして連れられて来た

 

驚愕の事実に軽くショックを受けて

着いていけるのかと心配ななか歩き始める

3キロで標高差800程度を上がる

ということは、ほぼずっと急登だとわかる

 

こんな急登が延々と続く

 

ひょいひょいと素早い隊長は

あっという間に姿が消え

 

余裕のようだ

 

 

尾根を過ぎると暗い樹林帯に入った

すべる黒土の数十センチしかない斜面を

たまに滑りそうになると心臓が止まるくらいヒヤッとする

隊長が言う

「右側落ちたらもう川まで転がるんで、その時は助けられません

 降りるまで待つか自分で下山してください」

右側は石がゴロゴロの急斜面が、遮るものもなく川まで続く

写真を撮る気も余裕もなく

足場の悪い崖っぷちの斜面を

生きた心地がしないまま罰ゲームかのように歩いていた

 

ふいに足元左の斜面に黄色が目に入った

前を行く隊長も下しか見ていなくて気付いてない

 

福寿草があるよ!

えっ?!どこどこ、ホントだぁー!

歓声があがる

 

お通夜のようなムードが一変して

パーっと明るくなる

 

神経を使う道のりの先に

ご褒美が待っていた

 

高嶺の花というように

岩場の斜面に人知れず咲いている

なんと可憐なのだろうか

 

ベルベットの花びらが美しく

微笑むようにゆれている

 

 

 

花に気を取られて滑って転びながら

しばし撮影タイムでホッとひと息ついたら

 

また急登を登っていく

天狗岳のようながれ場の斜面を上がると

 

 

久連子(くれこ)岳に到着

ココまでとてもキツかった

初めてのピークに笑顔になる

 

 

ここは足場が狭く切り立つとんがりで

360度の景色が素晴らしい

立つのが怖いので座って撮影だ

今日は登頂が格別に嬉しい

 

 

そして尾根続きの岩宇土山へ向かう

がれ場の急登を見て覚悟を決め歩く

 

鞍部の向こうがピークだろうか

あんなとこまでまた行くの?と言いつつ

励まし合う

 

まるで世界の果てまで行ってQの映像だ

 

しかし動く石だらけの急登は

容赦なく体力を奪われる

ストックを握る腕が次の日に

パンパンになるくらい全身で登った

こんな僻地にいる私たち

 

下界の垢が全て取り除かれる気分になる

自然と一体に、自分もまた

自然の一部だとわかる瞬間だ

 

さぁもう一踏ん張り!

 

岩宇土山到着!

 

ヘトヘトになりすぐに昼食をとる

その後は白崩平岳の福寿草群生地などを見て降りていく

 

緩やかだと思っていた下山は、これまた黒土のツルツルで急登だった

もはや足は言うことを聞かないくらいガクガクになった

 

途中、渡渉が2度ある

梯子があるが左のほうから上がることが出来た

 

 

最後は堤防が土砂で流され、こんな怖いところを歩く

遊んでいるわけではなく

ここがコースになっている

自分の身長ほどの高さを、言うことを聞かなくなった足で

震えながら歩いた

 

最後まで緊張感のある山行だったこの日

生きて下山出来た喜びをヒシヒシと感じた登山だった

 

いやぁここは素人が歩く山ではないねと

登山4年目の私が言う

 

この夜、落ちる夢でうなされたのは言うまでもない