お盆に夫が病気になった
8月13日、舌左側の痺れに始まり
夜には歯磨き後のうがいが出来なくなったようで
夜9時半、本人が病院に行きたいと言いに来た
すぐに脳梗塞を疑い救急医療を受診
お盆なのになんと受診者の多いことか
トリアージのあとは
子供と高齢者が優先のようで延々と待つ
夜中1時までかかってMRIやCTスキャンなど検査をした
救急外来担当医師の診断は
ヘルペスウィルスによる顔面神経麻痺だろうとのことだった
しばらく前に左耳穴付近にかゆいできものがあったと夫
私も気が付かず知らなかった
後日改めて耳鼻科で見てもらうと
帯状疱疹ウィルスによるラムゼイハント症候群と診断が出た
略してハント症候群は耳に出来たヘルペスウィルスが
耳から顔に広がる神経の中に入り圧迫するため
神経が麻痺する病気で
発症してから3日以内にステロイド治療を開始する必要がある
5日ほどステロイド投薬で様子を見るとのこと
つい先日も葉加瀬太郎さんも同じ病の公表があった
残暑が厳しい今の季節は発症しやすいのかもしれない
大量のステロイド治療をするも
症状は進む一方で顔左半分が全く動かなくなった
眉も上げれない
口もへの字のまま
笑うと右半分だけがキューっと上がる
そして再度受診して要入院と言われた
柳原法検査では40点満点中7点で重症とのこと
薬では限界があるので入院して点滴でステロイド治療をするそうだ
入院の準備をしてきていたのでそのまま入院となる
8月19日 入院
入院する際に日赤のベッドが空きがないため
別の病院を紹介された
その病院が今年2月に義父が亡くなったところだった
「やべえ・・・親父が呼びよるばい」
死ぬはずのない足のやけどで入院して
脱水症状に気づかれないまま死につながった病院・・・
大丈夫か?
一瞬、夫は殺されるのか?とゾッとした
幸い耳鼻科の先生も優秀で病棟の看護師さん達も
安心してお任せできるかたたちばかりだった
顔面麻痺は治るかどうかは個人差があり
こればかりはわからないと表を見せられて言われた
完全に治る人のグラフの線が薄かった
10日間の入院が決まり観念した様子の夫だったが
毎日通うこちらも精神的身体的に辛かった
14時半からの面会時間は厳守とされていて
酷暑の中一番暑い時間帯に往復一時間かけて通う
日に日に良くなるどころか改善の兆しが見えず
鬱気味になりそうな夫
もしかしてこれが一生続くのか?
もう左半分はずっと動かないままか?
仕事は出来るのか?
舌も麻痺しているため味覚がないらしい
大体がポジティブよりネガティブな傾向なので
なおさら精神的ダメージも大きいようだ
努めてこちらは明るく前向きにふるまい
そんな空気を吹き飛ばす
発音練習を一緒にしたり
音読の本を持参して声を出して読んだり
パズルを解いたりと心に寄り添う
家では顔面麻痺に関する資料を読み漁った
鍼灸が良いのなら家から通えそうなところはどこか
マッサージは有効か
温泉はラドン温泉がいいのか
完全治癒の可能性を探る
とにかくずっと気が休まらないハイな状態
そして、ある動画を見てこれだと思った
顔に針をさすとかマッサージをするというよりも
顔に送る血液量が重要だとピンときた
入院して3.4日目だろうか
そういえば当初から左肩が張る、バリバリに硬いと言っていた
そう思い出して背中から肩、首までを入念にマッサージした
直後に顔になにか血が流れるような感覚があると言う
やっぱりそうだ
顔の神経の中のウィルスのせいで炎症し腫れて
血が流れにくいから麻痺してるということは
顔に送る酸素を含む血液を増やすことが重要なんだよな
そこからは本人にも肩の体操を教えて
私も毎日背中や肩そして首をマッサージする
帰ったら夕ご飯も食べれないくらい疲れたものだ
そこからはみるみる改善していき
退院する頃には8.9割ほど麻痺が治ってきた
これって神経が死んでしまってからでは遅いと思う
血管もだけど、血が通らない酸素が送れない
神経が壊死する
死んだらもう復活しない
発症してから1カ月の今
柳原法式検査も満点、先生も100点ですと言うくらい完治した
怪我の功名で体重が4キロも減り
不摂生や仕事人間だった生活を見直すことだろう
一人で家にいる間は
山仲間との遠征のやり取りやら
毎夜のゲームフレさん達とのゲームが
なにより癒しとなって気分転換にもなり
精神的にほんとうに救われた
夫からも初めて沢山「ありがとう」を言われた
ありがとうを言えない肥後もっこすだったのに大きな成長だ
一人より二人、二人より三人
人という文字のように人は支え合って立てているのだな
と改めて思う
今回の出来事は私にとっても
いろんなことを気づかせていただく良い機会となった
~おまけ~
涸沢3日目の写真たち