東洋医学では味の種類について「酸」「苦」「甘」「辛」「鹹」の“五味”があるということをこれまで述べてきています。
本日は、個人的には苦手な人と好きな人が極端に分かれると思われる味、辛いものの「辛」の味の持つ効果を述べたいと思います。
辛い物、「辛」味は、たまったものを発散させる作用や発汗作用、気を巡らせる作用があります。たとえば、辛味の代表的な生薬に「生姜(ショウキョウ)」があるのですが、生姜には散寒解表の効果があります。これはどういうことかというと、寒気を伴うカゼの初期などに用いると、発汗を助け、体表の寒邪を散らす効果を持ちます。
ほかに発散作用をもつ生薬として紫蘇、薄荷があげられます。食材ではネギやニンニクなどがあげられます。カゼの初期に食べると良いとされているのは、発散してくれるからなんですね。陳皮、香附子、縮砂などは気を巡らせて消化機能を高めます。
ただし、辛味は摂りすぎると(唐辛子などは作用が強いのでわかりやすいと思いますが)汗をかきすぎたり、乾燥の症状が出るなど、作用が強く出すぎて身体の潤いを損なうことにも繋がります。