東洋医学では
味の種類について
「酸」「苦」「甘」「辛」「鹹」
の“五味”があるということを
これまで述べてきています。
本日は
皆さんが好まれる甘いもの
「甘」の味の持つ効果
を述べたいと思います。
甘いもの、といっても昨今の
砂糖で作られた甘さ
ではなくて
ここでは
食物が自然の中で
生来より持つ甘味
についての話になります。
甘い味が持つ効果は
急激に起こった激しい症状、
痛み、けいれんなどを
緩やかにすること
気や陰を補い
胃腸などの臓腑の機能を
促進すること
代表的な生薬として
補気する
人参、黄耆、山薬(サンヤク)
補陰する
麦門冬(バクモンドウ)
補血する
熟地黄(ジュクジオウ)
などがあげられます。
ここで注意すべきは
補するものに関しては
“不足しているものを補う”
ので効果がある
ということであって
甘いものを
たくさん食べればいい
という事ではありません。
漢方薬では
種々の生薬が
一定量の配合されて
構成されています。
ここでこの「甘」味は
種々の生薬同士の
調和をとり
相性をよくする効果
があります。
また
配合されている生薬の
毒性を和らげる効果
もあります。
甘草(かんぞう)は
甘味の代表的な生薬ですが
漢方薬のエキス剤の
実に7割の処方に
配合されています。