シナモンはアップルパイやシナモンロールなど洋菓子の香りづけなどに使われます。カプチーノや紅茶、カクテルなどの飲料にシナモンスティックを入れたりすることもあります。
シナモンは昔からスパイスとしても使われていますが、紀元前4000年のエジプトでは、ミイラの防腐剤としても用いられていたそうです。
一般的にシナモンといえばスリランカのセイロンニッケイの樹皮を細長い形状にはぎ取り、コルク層を除去し作られるものをいいます。そして、日本産のニッケイの根から得られるものがニッキといいます。シナモンとニッキは同じものとされていますが、厳密には原産植物や作成部位の区別があるんですね。
現在では、シナモンにもたくさんの種類が見られるようになりました。インド、マレーシア、スリランカなどの熱帯各地に生育するクスノキ科の常緑樹の幹や枝の樹皮がシナモンとして利用されます。カシアと呼ばれる中国やベトナム産の種類もよく利用されているそうです。
シナモンといえば、その独特の芳香が特徴的です。甘みと辛みが混じったような独特の風味を持ちます。この香りにはリラックス効果があることが認められており、アロマオイルにも使われます。疲労やうつ状態の症状改善に用いることが多いようです。
シナモンは、香りのみならず、摂取することで消化促進作用、抗菌作用、血行や発汗の促進、健胃作用、抗酸化作用などの効果があります。煎じた液を外用として用いると、しもやけやひび割れにも効きます。
近年、シナモンには血糖値や中性脂肪やコレステロール値を低下させるなどの作用もあると注目されています。シナモンを摂取することでインスリンの効果が3倍ほどに増えるそうです。インスリンの効果が上がることで満腹感を感じやすく、またシナモン自体の甘味もあるので、満足感も出るとのことです。そのため、シナモンには甘いものへの欲求を抑える作用もあると言え、甘味が好きな方はダイエットにも利用できそうです。
そして、抗酸化作用をもち、毛細血管を修復します。ストレスを受け続けるなどしてダメージを受けた毛細血管では、血液がしっかり流れず、冷えを誘発する可能性があります。
体温を上げるように体を温めたり、血行を促進しようとしても、血管がボロボロの状態では効果が上がりません。冷えがひどく、何をやっても末端が温かくならない方は、毛細血管自体のダメージが蓄積されているのかもしれません。
シナモンには毛細血管の機能を正常に戻す働きもあるとされます。シナモンを摂取することで血液の漏れを90%抑えることができるとも言われているそうです。冷えに対し、身体を温めるためのベース作りとして取り入れてみたら良いかもしれません。
そして、肌のシミ、しわやたるみには毛細血管の減少が関与するため、肌トラブルを改善、予防する効果があるとも言えます。アンチエイジングをサポートし、美容にも良い食材とも言えますね。
そんなシナモンですが、一日あたりの摂取量は、2~3グラムまでが適量だと言われています。過剰に摂取してしまうと、シナモンに含まれている芳香成分クマリンにより肝障害を引き起こす危険性があるのです。また、胎児にも悪影響を及ぼす可能性があるとされており、とくに妊娠中には注意です。
市販のシナモンパウダーを振りかけて食べたり飲んだりするだけでも効果が得られますので、摂りすぎには注意してくださいね。