ショウガには身体を温める作用や殺菌作用、抗酸化作用、清涼感のある香りで食欲増進したり、その辛味で唾液を分泌させ、消化吸収を良くする作用などがあります。
ほかの食べ物と一緒に薬味として摂ることで、身体を冷やしすぎないようにしたり、殺菌作用で食中毒予防になったりします。
例としてお寿司のガリや冷ややっこなどですね。
特に、身体を温めることについてはよく言われています。
冷え性対策でショウガを摂られている方もいるかと思います。
実は、ショウガは食べ方によって温める効果が変わります。
ショウガに含まれる身体を温める成分として、ジンゲロールやショウガオールがあります。
ジンゲロールは加熱、乾燥することでショウガオールへと変化します。
ジンゲロールは吸収されて血管内に入ると、手足や足先といった末端の末梢血管を拡張させる作用があります。
末梢血管が拡張し、血流が良くなることで、身体の表面を温めます。
しかし、同時に身体の深部の熱を表面に送り出すことになるので、身体の深部の温度が若干下がるそうです。
ショウガオールは胃腸の壁を刺激して活発化させることで、内臓の血流を促進します。
そのため、身体の深部の体温を上げ、内部から温める効果があります。
この効果は唐辛子のような即効性はありません。
3~4時間かけてじわじわと温めます。
ショウガは生薬としても用いられます。
そして、生薬として作成するときの処理の仕方によってその使い方も異なります。
ショウガは処理の仕方で生姜(ショウキョウ)と乾姜(カンキョウ)に分けられます。
生姜は生のショウガ、乾姜は蒸して乾燥させたものです。
生姜は浅いところを温めます。
初期のカゼなど、風邪(フウジャ)などの邪気が身体の表面にいる場合に対し用いる辛温解表薬です。
葛根湯などに配合されています。
対して、乾姜は身体の深いところ、内臓の冷えを取り除く作用をもつ散寒薬です。
冷えによる腹痛などに用いる大建中湯などに配合されています。
以前、TV番組でもショウガのショウガオールを増やす方法として、スライスして蒸し、乾燥させて使う、といった方法が紹介されていたようです。
風邪対策には生姜・ジンゲロールを、冷え対策には乾姜・ショウガオールを、と使い分けて冬の食生活を組み立ててみるといいかもしれません。