自分のコイン収集は海外のアンティーク・古代コインを主なターゲットにしています。
コインの種類で書いた通り
国によってコインに特徴があり
というロマンを感じることができるからです。
更に、資産保全の観点からも海外コインを重視しています。
日本の経済が破綻・破滅した際、海外勢がコインの売却相手となりうるからです。
果たして、本当に日本コインは資産保全に向いていないのか?
第24回横浜ワタル商事5月連休ミニオークションに出品された
旧2・5(Deep Shell:深掘鱗)・10・20円金貨について検討しました。
なお、旧10円金貨が初めて発行された年は1871年ですが、それ以外は1870年。
海外の落札価格はHeritage AuctionsとStack's Bowers Galleryで
国内の落札価格はAuction Worldで調査(2024年4月末までの記録)。
落札価格中央は(最高値+最安値)/2で計算。
その比率(海外/国内)を割り出す際には
ドル建手数料込落札価格に相当する円建手数料抜落札価格を
円安を考慮せず:円安を考慮するべきか?考慮しないべきか?
1ドル111円で計算:円建手数料抜落札価格=ドル建手数料込落札価格x100。
旧20円金貨は記録が少なく詳細な検討は困難ですが、突出して超高額であることは分かります。
旧20円金貨のような超高額コインは損失が大きくなる懸念があり資産保全には不向きでしょう。
そもそも、旧20円金貨は高額すぎて自分の入手対象外です。
コイン高騰が顕著となった2021年よりも前
旧2円金貨は落札価格中央が海外と国内でほぼ同じ(海外/国内≒1.00)ですが
旧5円金貨(0.88)と旧10円金貨(0.80)では海外の方が低くなっています。
旧5・10円金貨は海外での評価が低く資産保全には向いていないでしょう。
なお、額面1円あたりの落札価格中央は旧2・5・10円金貨の順に低くなっていますが
この順でグレードが低くなっているためかもしれません。
但し、PCGSでの順位・登録数から稀少性は旧5円金貨MS65が最も高いと言えそうですが。
落札価格の変動を比較するため最高値/最安値を計算すると
旧2円金貨:海外1.96>国内1.13
旧5円金貨:海外1.39>国内1.29
旧10円金貨:海外1.33>国内1.10
いずれも海外の方が国内より大きいのですが
旧2円金貨は海外での価格変動が最も大きく資産保全には向いていないでしょう。
価格変動が大きい(volatilityが高い)と下落が大きくなる懸念があるためです。
高騰が大きくなる可能性もあるため投機には向いているかもしれませんが。
コイン高騰が本格的に顕著となった2021年以降
旧2・5・10円金貨全てで海外・国内とも落札価格中央が上昇していますが
国内の方が上昇倍率が大きいため落札価格中央の海外/国内は一層低くなっています。
旧2円金貨:海外1.21<国内1.27、1.00→0.96
旧5円金貨:海外1.03<国内1.21、0.88→0.75
旧10円金貨:海外1.36<国内1.46、0.80→0.75
つまり、旧2・5・10円金貨いずれも国内の方がますます割高となっていて
いざという時、海外勢に国内で落札した額より高値で売却することは難しいため
やはり、資産保全には向いていないと思います。
以上、あくまで、個人的見解でした。