ロシアは南アフリカに次いで世界で2番目にプラチナ産出量が多い国であるため
参照:プラチナ産出国ランキング
多くのプラチナ貨を発行していますが、不思議なことがあります。
~周年記念としているにもかかわらず、~周年と年号が噛み合わないのです。
先月のA.W.主催第36回オークションに出品されたプラチナ貨で見てみましょう。
PF69 Ultra Cameo RUSSIA CCCP Platinum 150Roubles 1989
https://wwwn.auction-world.co/xpai/lot_AA36-4645.html
ロシア連邦設立(ウグラ河畔の対峙)500周年を記念するプラチナ貨。
参照:https://en.numista.com/catalogue/pieces26871.html
ウグラ川を挟んでイヴァン3世率いるモスクワ大公国軍はモンゴル軍と対峙
戦闘を行うことなくモンゴル軍を撤退させタタールのくびき(モンゴルによる支配)から脱却
これをもってモスクワ大公国独立=ロシア連邦成立とされているようですが
このウグラ河畔の対峙が起きた年は1480年であって
発行年である1989年から500年前である1489年ではありません。
PF69 Ultra Cameo RUSSIA CCCP Platinum 150Roubles 1990
https://wwwn.auction-world.co/xpai/lot_AA36-4647.html
ロシア領アメリカ発見、あるいは、ロシア領アメリカ成立250周年を記念するプラチナ貨。
参照:https://en.numista.com/catalogue/pieces94485.html
ロシア領アメリカとは主にアラスカ州のことですが
ロシア人が発見した年は1648年、ロシア領であると宣言した年は1799年
いずれも発行年である1990年から250年前、つまり、1740年ではありません。
なお、表のデザインはMikhail Gvozdevが司令官を務めたSt. Gabriel船ですが
彼がアラスカを訪れたのは1732年と1741年、1740年からずれています。
PF70 Ultra Cameo RUSSIA Federation Platinum 150Roubles 1994
https://wwwn.auction-world.co/xpai/lot_AA36-4648.html
第一次ロシア南極遠征を記念するプラチナ貨。
参照:https://en.numista.com/catalogue/pieces67607.html
第一次ロシア南極遠征が敢行された年は1819~1821年。
コインが発行された1994年は第一次ロシア南極遠征開始から175周年となりますが
記念コイン発行のために切りがよい年ではないでしょう。
2019年発行なら第一次ロシア南極遠征開始200周年記念でしたが・・・
ロシア造幣局、あるいは、コイン発行を決めたロシア政府は大雑把、お国柄でしょうか?