グレードの順位を当ててみよう!、ニュルンベルク銀貨1768年では
1765・1768・1780年に発行されたニュルンベルク都市景観銀貨のうち
遭遇率が最も高い1768年もののグレード順位を比較しました。
参照:https://en.numista.com/catalogue/pieces32106.html
今回は遭遇率が最も低い1780年もので比較、裏面の拡大画像もあります。
都市景観拡大像
裏面拡大画像
正解は・・・
上 MS61:https://wwwn.auction-world.co/library/item_245186.html
下 MS63:https://wwwn.auction-world.co/xpai/item.jsp?id=140175
表の都市景観はいずれのコインでも細部まで認識でき大きな差異はありませんが
グレードは上<<下。
裏の十字架にいたっては模様を細部まで認識できるものは上のコインなのですが
グレードは上<<下。
”グレードの順位を当ててみよう!”シリーズで一貫して言いたいことは
見映えの順位とグレードの順位は必ずしも一致しないということ、すなわち
グレードは見映えの指標ではなく製造時からの保存状態の指標にすぎないということ。
下のコインで十字架の模様が不鮮明なのは不出来によるものであり
その不出来が製造時のまま保たれているとされたがゆえのMS63と思います。
それでは、摩耗による劣化とされなかった理由は何だったのでしょう?
コインの鑑定において
Details:訳ありと判定する根拠は謎ですが
製造時の不出来と摩耗による劣化を判別する根拠も謎なのです。
更に言えば
見映えは良いが製造時から摩耗の影響を受けているとされたがゆえのMS61
見映えは良くないが製造時の不出来が保たれているとされたがゆえのMS63
どちらの価値が高いか?・・・落札価格は下記の通り(いずれも2023年以降)
MS61:50万円 < MS63:63万5000円
やはり、日本のコレクターは見映えよりグレードなのでしょう。