1765・1768・1780年に発行されたニュルンベルク都市景観銀貨は
https://en.numista.com/catalogue/pieces32106.htmlによると
発行数は不明ながら遭遇率が最も高いものは1768年となっています。
先月のA.W.主催第31回オークションでは、実に、4枚も出品されていました。
上左:https://www.auction-world.co/xpai/lot_A31-3377.html
上右:https://www.auction-world.co/xpai/lot_A31-3378.html
下左:https://www.auction-world.co/xpai/lot_A31-3379.html
下右:https://www.auction-world.co/xpai/lot_A31-3380.html
せっかくですから、グレードの順位を当ててみましょう!
都市景観の部分を拡大、上左→上右→下左→下右の順になっています。
正解は・・・
上左:Cleaned AU < 上右:MS60 < 下左:MS62 < 下右:MS63
いかがでしょうか?・・・例によって、自分が見映えで順位を決めると
上左(hairlines多数)< 上右 > 下左 = 下右
上右(拡大像2番目)のものが最も建物や樹木の構造が明瞭になっていると思いますが
こうした見映えで選ぶ順位とグレードの順位が一致しません。
MS gradesで過去の落札記録を調べたところ(ドル建手数料込は円建手数料抜に概算)
MS60:2019年840ドル(8万4000円)
2021年1320ドル(13万2000円)
2022年1980ドル(19万8000円)
MS61:2019年990ドル(9万9000円)
MS62:2019年23万円 https://www.auction-world.co/library/item_134685
2020年1500ドル(15万円)、1920ドル(19万2000円)
2021年70万円 https://www.auction-world.co/library/item_183847
2022年38万円 https://www.auction-world.co/library/item_222949
MS63:2019年21万7000円 https://www.auction-world.co/library/item_130068
2021年以降に著しく高騰しているようです。
もっとも、国内では2021年に急騰したかと思えば2022年に急落していますが。
そして、上記の4枚、先月のA.W.主催オークションでの落札価格は
上左:Cleaned AU、8万円 上右:MS60、28万円
下左:MS62、29万円 下右:MS63、78万円
MS60がMS62に迫る勢いであった一方、MS62は2022年38万円から更に下落。
M63は78万円とズバ抜けていますが・・・見映えを反映した結果ではないでしょう。
裏面の紋章を比べても、やはり、MS60(下左)の方がMS63(下右)より優れています。
特に、宝珠の上にある十字架はMS60の方が鮮明になっています。
昨日も同一コインなのにグレードが上がっただけで5倍近くも高騰した例を紹介しましたが
参照:同一コインなのにグレードが違うと価格がこんなにも違う!
相変わらず国内ではグレードが落札価格に大きな影響力を持っているようです。