コインで紹介する英雄・第3回でナポレオン1世の小型金貨を紹介しました(右)。

今回は更に1枚を紹介します(左)。

 

(左)1808A, 20 Francs, 6.45g (Au 0.9), 21mm, KM687, Numista Rarity Index 52

参照:https://en.numista.com/catalogue/pieces25123.html

(右)1810A, 20 Francs, AU55, 6.45g (Au 0.9), 21mm, KM695, Numista Rarity Index 24

参照:https://en.numista.com/catalogue/pieces8249.html


 

Krause and Mishler catalogでは異なる金貨として登録されていますが

どこが異なるのか・・・?

裏面においてフランスの国名表記が異なります。

(左)Republique Francaise:フランス共和国

(右)Empire Francais:フランス帝国

ナポレオン・ボナパルトは1804年にフランス共和国の皇帝として即位していますので

いずれの国名も正しいと言えるでしょう。

共和制とは君主を持たない政治体制なので”共和国の皇帝”というのは矛盾していますが

国民投票によって皇帝として認められたがゆえの表現でしょう。

 

前者の金貨は1807〜1808年の発行、後者の金貨は1809〜1814年の発行。

これをみる限り、1808年から1809年にかけて国名表記が変わったことになります。