今回は特報:Victoria Sovereign金貨、Overdate 3/5発見!でレポートした金貨です。

 

UK, 1853/5, Sovereign, 7.99g (Au 0.917), KM736, Numista Rarity Index 46, AU55

 

ルーペで見ると→ 明らかに3/5のOverdate

にもかかわらず、NGCではOverdateと鑑定していません!

この金貨のOverdate 1853/5は非スラブ入でも海外では落札価格700ポンド

手数料20%・1ポンド150円として円建手数料抜落札価格11万3514円に相当。

その後、この金貨は売りに出され、売却価格1750ポンド、これは23万6486円相当!

したがって、わざわざ再鑑定しなくてもスラブから出して出品/売却してもよいでしょう。

しかし、国内ではスラブ入の方が高値がつきやすい傾向があるので

やはり、Overdateを指摘した上で再鑑定を依頼すべきかもしれません。

その際はNGCではなくPCGSに依頼するつもり、なぜなら

←このような微妙な6と5の重なりでも

1868/58のoverdateとPCGSは鑑定しているからです:スペイン少年王の祖母

 

なお、今回のVictoria金貨は肖像の右にあるGRATIAの1番目のAを拡大してみると

2つ重なっているDoubled A

Doubled Dieでレポートした

HubからDieを造る過程で縁の近くでHubが回転した二重打ちの可能性もあります。
1853/5は最初に誤って5とした所を3に修正したものであり
このようなコインは集中力が低下する昼食後に製造されたと推測されることから
after lunch coinsと呼ばれているそうです。
ということは、このDoubled Aもdoubled dieではなく修正によるものかもしれません。
いずれにせよ、Overdate 1853/5とDoubled Aが同一コインにあるわけですから
再鑑定をするしないにかかわらず極めて稀少な金貨に変わりはありません。
もしかすると世界でたった1枚!?