今年は大判を狙ってみる?では大判の入手について検討しました。
大判は墨書の経年劣化により価値が落ちてしまう可能性があるので資産保全には不向き。
落札価格が100万円を超えるほど高価なので趣味にしては贅沢。
大判がダメなら小判はどうでしょうか?
せっかくですので、小判についても調べてみました。
重量・品位・金含有量 *品位は規定、実測とは少し差異あり
大判と異なり種類により重量と品位がかなり異なります。
宝永小判と安政小判は10g未満なので小型金貨と言ってよく
万延小判は5g未満なので超小型金貨、ダカット金貨(3.5g, 0.986)より軽く低品位です。
また、元文・文政・天保小判は重量10g以上であるものの金含有量10g未満となっています。
金含有量の推移
正徳・享保小判で金含有量が上昇した理由は江戸幕府の威信を上げるためでしたが
幕府の財政難を救うため”あの”大岡忠相の提案により再び金含有量を下げた元文小判に改鋳。
その後、金含有量は低下の一途を辿り万延小判は初期のものと比べて1/7以下になりました。
こうしたデータを見ると金本位制復活論がほとんど無意味であるように思います。
金には限りがあるので金貨を通貨にすれば政府は自由に流通量を増やすことができない
と論じられますが、実際は重量や品位を下げて流通量を増やすことができるのです。
どのみち流通量を増やすのなら改鋳ほど労力を要しない紙幣の方が便利と言えるでしょう。
つづく・・・次回、小判は資産保全に適しているか?を検討します。