Numindex(ニューミンデクス):https://numindex.com/とは

欧州の貨幣学者が選んだ30種類のコインについて価格を調べて算出した指標であり

コインの価格動向を見極めるためのものです。

 

日本経済新聞社が選択した株式銘柄について価格を調べて算出した指標である日経平均株価

のようなものですが、平均価格ではなく、したがって、単位はポイントになっています。

Numindexの算出方法については→https://numindex.com/pdf/numindex_eng.pdf

 

欧州の貨幣学者が選んだ30種類のコインとは次の通り

欧州系のコインばかりになっています。

 

このNumindexの問題点は以下の通り。

 

①この指標に意義はあるのか?

あくまで、選定した30種類、しかも欧州系のコインの価格に基づく指標です。

したがって、日本のコインや米国のコインの価格を反映していません。

欧州系のコインに限っても、個々のコインの価格動向には著しい差異があるでしょう。

人気がなく低迷しているコインもあれば人気があり高騰しているコインもあり

しかも人気は水物ですから、価格動向はコインそれぞれ異なるものです。

例えば、日本で人気のヤングエリザベス5ポンド金貨プルーフの価格動向は

2018〜2019年に低迷→2020年に復活→2023年に躍進というパターンであり

参照:ヤング・エリザベス5ポンド金貨の価格動向:2023年4月まで
上記のNumindexとは異なっています。

 

②グレードの考慮が不十分では?

例えば、選定30種類に含まれているEritrea 5 Lire (Tallero)ですが

参照:Eritrean Tallero

デザインが素晴らしいため人気がある一方で発行数は少なくありません。

こうしたコインではグレードが高いほど価格は著しく高くなるものであり

また、グレードにより価格動向が異なる可能性があります。

Numindexの算出方法を概読したところ、グレードについては

Regarding the coin condition, the coin grade has been selected for the index,

which is mostly available on the market

コインの状態について、市場で最も流通しているグレードを指標のために選択した

とありますが、これで十分とは言い難いでしょう。

そもそも、欧州では日本や米国ほどNGCやPCGSによるグレードは重視されておらず

更に、スラブ入を忌避する伝統もあるそうです。

参照:スラブからコイン・メダルを取り出す方法

 

ということで、Numindexは極めて興味深いコイン価格の指標とは思いますが

その実用性について今のところ定かではありません。