「2022年の貴金属のパフォーマンス」

2022年の貴金属パフォーマンスが報告されていました。

一見すると、プラチナ>銀>金ですが、いくつか注意が必要です。

 

①年間パフォーマンス=年初→年末の評価にすぎない

あくまで、2022年の年初と年末のみで価格変動を評価しているだけです。

その間の値動きは関係ないですし、2022年よりも前の値動きも関係ありません。

ちなみに、最もパフォーマンスが低かったLumber、何のことかと思ったら、木材だそうです。

記事によると、高騰していた価格が正常レベルに戻ったことが理由。

この事からも分かるように年初・年末というタイミングによる価格差にすぎません。

 

②資産保全目的なら年間パフォーマンスに意義はなし

資産保全が目的である場合、高値になっても売却することはないでしょう。

あくまで、現金の価値が暴落した際でも資産の価値を保全することが目的ですから。

となれば、年間パフォーマンスに意義はなく、重要なのは下落しにくいことです。

2022年全体でプラチナの値動きを見ると、かなり激しく

https://www.kitco.com/charts/liveplatinum.html

(最高値-最安値)÷最安値x100≒(1150-850)÷850x100≒35%

一方、金の値動きは、そこまで激しくなく

(最高値-最安値)÷最安値x100≒24%となっています。

更に言えば、2022年以前からの長期的な価格推移の方が資産保全には極めて重要です。

例えば、地金価格推移2020では2007~2020年を対象期間としましたが

いずれ、更に対象期間を延長した地金価格推移2022をレポートする予定です。

 

③売買差益のみを求めるのなら投資と言うより投機

記事では投資マーケット・投資商品という言葉が使われていますが

コイン収集は投資?投機?資産保全?趣味?でも指摘した通り

売買差益のみを求めるのなら投資と言うより投機です。

今回紹介している2022年パフォーマンスは

年初と年末の価格差で評価しているため売買差益を評価したものになるでしょう。

したがって、投資としての評価と言うより投機としての評価と言うべきです。

 

ということで、資産保全を目的として地金を保有している自分にとって

それほど重要な記事ではなかったのですが、それでも、興味深いと思います。

様々なモノ、あるいは、通貨・株式・債券の値動きを比較していますので。

その上で付け加えるとしたら、コインの年間パフォーマンスはどうだったのでしょうか?

コインの値動きは遅いため1年間で追うモノではなく数年間は追うべきモノですが

最近の高騰ぶりを見ると1年間だけでもかなりの値動きがあるような気がします。

参照:今年のオークションを象徴する銀貨と金貨