今回のレポートはオークションでメダルを競るのは恐ろしい?の続編です。

 

2016年に2万5500円で落札された裸メダルが

MS61と鑑定されて2022年10月に24万7000円

https://www.auction-world.co/xpai/lot_A30-3959.html

実に9.69倍にもなったことをメダル大出世物語で紹介しました。

 

ベルンの都市景観が描かれた40mmの大型メダルでしたので是非欲しかったのですが

どこまで入札するのか、非常に迷いました。

どれくらいの価値があるのか?

将来的に採算が取れると思われる額は?

これらが極めて分かりにくかったためですが、その理由は下記の通り。

 

①元は2万5500円で落札されたメダル

メダルは鑑定されてMS60以上(PCGSならSP60以上)になると価格が上昇します。

参照:メダルをスラブ入りにしたら、実例篇

しかし、それでも2~3倍程度・・・さすがに9.69倍は高すぎるのでは?

②海外落札価格の幅が大きい

裸メダルの海外での落札価格は

2013年748ユーロ(円建手数料抜9万239円相当)

2019年2040スイスフラン(円建手数料抜20万324円相当)

かなりの幅があります。

更に、2022年1694ユーロ(円建手数料抜21万9762円相当)

コイン・メダル高騰時代の割に2019年と比べ価格上昇はあまりありませんでした。

 

もう一つ、気がかりなことがあります。

 

③現存数は思われているほど少なくない

オークションの説明では”製造数は不明だがおそらく50枚以下”でしたが

メダルの本によると製造数不明ながら現存数5枚未満となっています。

しかし、落札記録を調べてみると

2007年1枚、2013年1枚、2016年1枚、2017年1枚、2019年1枚

そして、2022年2枚(1枚は2016年は同一)・・・6枚は確認できました。

現存数は思われているほど少なくないことになります。

 

以上から考えると

裸メダルでも最近は20万円程度の価値はあると評価されているわけですから

MS61で24万7000円なら決して高値ではないでしょう。

しかし、将来的に採算が取れるかとなると・・・?

落札価格が24万円を超えると将来的に30万円を超えないと採算が取れませんが

参照:落札価格の変動と損益の変動、その気になる関係は?

②からも分かるように、そこまでの勢いは今のところなさそうです。

 

オークションでメダルを競るのは難しいと改めて思う次第です。