2022年2月3日、名古屋税関は

2016年8月~2018年12月に中部国際空港などで押収した密輸金塊244kgの入札

 

開札の予定は2月24日だそうですが、自分も参加できるのか調べたところ

そもそも落札できるのは1人だけ、つまり、金塊244キロ全てに対する入札でした。

https://news.yahoo.co.jp/articles/716f87f6b2667b6ba66e32e904e787bc69a63717

1g7000円で計算しても約17億円相当、参加できたとしても落札は到底不可能でしょう。

いったい、誰がいくらで落札するのか?・・・開札後に公表されればレポートします。

 

ところで、なぜ金塊を日本に密輸するのでしょうか?

海外取引の経験がある方は知っていると思いますが

金塊(金地金および地金に相当する金貨も)を輸入する際には消費税が約10%かかります。

参照:海外取引:輸入税

仮に100万円相当の金塊を輸入すれば、約10万円が消費税として徴収されます。

この消費税を免れるために密輸、つまり、申告せずに国内に持ち込むのでしょう。

 

更に、消費税を免れるだけではないようです。

https://www.nenshuu.net/magazine/pages.php?pages_id=59によると

国内の貴金属店(地金取扱業者を含む)で金塊を売却すると

売却代金に加えて消費税も売り手に支払われるそうです。

100万円相当の金塊を売却した場合、110万円が支払われることになります。

密輸により消費税を免れていれば、消費税分だけ儲けることになります。

こうなると、脱税というより消費税分の窃盗に近いでしょう。

 

ところで、摘発された金塊はどうなるのでしょうか?

罰金と消費税を支払えば、金塊を取り戻すことが可能なのだそうです。

https://www.otakaraya.jp/contents/gold-platinum/gold/japan-gold-mitsuyujiken/

一方、他の国では密輸が発覚すると密輸品は没収されるそうです。

密輸に失敗しても、それなりの金額を支払えば、密輸品を没収されない国であるがゆえに

日本では金塊の密輸が多いようです。

そう言えば、日本は世界で最も個人の所有権が保護されている国と聞いたことがあります。

ゴミ屋敷で当事者が所有物だと主張すると対応が困難になるのも、それが理由だそうです。

 

所有権は尊重されるべきですが、公共の利益とのバランスを考慮することも重要でしょう。

悪質な密輸を取り締まるには一定額を超える密輸品を没収する法律が必要です。