Proof-likeの稀少性と価値でProof-likeの稀少性と価値について

とあるモダン金貨でレポートしました。

とあるモダン金貨とは2009年米国20ドル金貨 Ultra High Reliefでしたが

今回はアンティーク金貨、1887年ヴィクトリア女王5ポンド金貨でレポートしてみます。

 

そもそも、この金貨はヴィクトリア女王在位50年を記念して発行された大型金貨で

https://en.numista.com/catalogue/pieces79022.htmlによると

重量39.94g(金含有率0.917)で発行数は5万4000枚です。

先月のA.W.主催オークションにもMS62PLMS63が出品されていました。

 

MS62PLの方が背景の輝きも目立ち、キズも目立つようです。

どちらが良いかは好みの問題でしょう。

 

PCGSでProof-likeと鑑定されたものが見つからなかったので、NGCで登録数を調べました。

MS60, 132 vs. MS60PL, 22; MS61, 187 vs. MS61PL, 16; MS62, 132 vs. MS62PL, 33

MS63, 95 vs. MS63PL, 22; MS64, 36 vs. MS64PL, 9; MS65, 10 vs. MS65PL, 1

いずれのグレードにおいてもPLの方が圧倒的に登録数が少なくなっていますが

MS62PLは33枚MS63の95枚よりも少なくなっています。

 

過去の取引記録から想定した相場の中央はMS62PLが4560ドルMS63が4980ドル

*コインが高騰した2021年以降の記録は除外

円建て手数料抜にするとMS62PLが45万6000円MS63が49万8000円に相当します。

国内でもMS62PLが44万円MS63が47万6000円、海外と大きな違いはないようです。

また、MS62の想定相場中央は海外で3720ドル、国内で35万円、やはり、ほぼ同じです。

 

登録数:MS62PL < MS63 < MS62

価値:MS63 > MS62PL > MS62

 

Proof-likeの稀少性と価値でレポートしたように

PLがつくものは登録数が少なく同グレードよりは高値になるものの

よりグレードが高いものの価値を超えることはなさそうです。

但し、MS63とMS62の価格差が13万円程度に対し、MS63MS62PLでは4万円程度ですから

PLがつくことで上位グレードとの価格差がかなり小さくなったとは言えそうです。

ちなみに、同グレードで価格比を計算してみると

海外:MS62PL / MS62 = 4560 / 3720 = 約1.23倍

国内:MS62PL / MS62 = 44万円 / 35万円 = 約1.26倍

PLがつくことで20~30%の価格アップということになります。

 

なお、先月のオークションでの落札価格ですが、両者同額の72万円でした。

なるほど、このコイン高騰下において4万円程度の差はないも同然という結果でした。