Proof-like:プルーフ・ライク とはプルーフではないが、つまり、通常貨ではあるが

プルーフのような外観を呈するコインのことです。

 

そもそも、プルーフとは何か?

プルーフには誤りがないかを確認する原稿、つまり、校正刷りという意味があるように

コインでも元々は出来映えを確認する試作品を意味していました。

ところが、いつの間にか、試作品のコインはSpecimen:試鋳貨と言うようになり

贈呈用に製造した特別なコインをプルーフと言うようになりました。

デザインにフロスト(霜降り)処理がなされ背景に鏡面処理がなされることが多いようです。

 

一方、通常貨、つまり、贈呈用ではなく流通用に製造したコインでも

Die:型が新しいうちに製造された初期のものではプルーフに似た外観を呈することがあり

そうしたコインがProof-likeと鑑定されているようです。

あくまで、外観で鑑定するわけですから、鑑定者の主観と言えます。

 

その稀少性ですが、とあるモダン金貨でPCGSの登録数を調べたところ(2021年11月)

https://www.pcgsasia.com/popdetail/941?m=800

MS70PL < MS69PL < MS70 < MS69 でした。

更に、その価値もPCGSで調べたところ(2021年11月)

MS70PL > MS70 > MS69PL > MS69・・・興味深い点がここです!

MS69PLの方がMS70より登録数は少なく稀少と言えるにもかかわらず

MS70の方が価値は高くなっていました。

*MS70PL+MS69PLでもMS70より少数;MSPL合計でもMS70より少数

 

また、Proof-likeの価値は通常と比べて10倍以上とする記事もありますが

参照:https://miyakocoin.com/html/page2.html

このモダン金貨で比較してみると

MS70PL / MS70 = 1.39, MS69PL / MS69 = 1.06

2倍にもなっていませんし、MS69PLについてはわずか6%しか高くなっていませんでした。