EF(極美)以上のアンティーク大型金貨を地金価格程度で入手しようとすれば

ナポレオン3世無冠100フラン金貨か南米大型金貨でした、かつては。

最近はコイン高騰の結果、両者とも地金価格では入手困難です。

やはり高騰している最近の金地金価格で計算した入札額でもですから

アンティーク金貨の高騰ぶりが分かるでしょう。

そんななか、とても高額な南米大型金貨に出会いました、見映えは今一つなのですが・・・

 

COLOMBIA 20Pesos 1859 PCGS-AU55

リンク先の画像を見て頂ければ分かりますが

女神の頭髪に摩耗がけっこうありますし、国章の摩耗は更に進んでいます。

特に、国章の上部、向かって左にあるはずのcornucopia:豊穣の角を全く認識できません!

*cornucopiaについては→南米コロンビアの大型金貨

しかし、オークションでは

“グラナダ連合“ ボゴタ 製造2002枚 再獲難な1年号タイプのクラシック・レア Ⓡ

と説明されていてスタート価格は、なんと!50万円でした!!

いくら稀少と言っても、この見映えが良くない金貨に50万円で入札する方がいるのか?

と思っていた自分が勉強不足でした。

その後、順調に価格は上昇して落札価格(手数料抜)は86万円でした!!!

 

ここに至り、つまり、自分の予想に反した高額な落札価格を眼にするに至り

ようやく、この金貨について調べて見つけた記録がこれ↓でした。

この記録によると

Granadine Confederation:グラナダ連合の名義で発行された唯一の金貨で

現存枚数はたったの8枚、そして、このAU55はPCGSでTop Gradeだそうです。

確かに!→https://www.pcgsasia.com/Cert/84984043

そして、肝心の落札価格(おそらく手数料込)ですが9000ドルでした。

1ドル110円として円建て落札価格(手数料抜)90万円に相当しますので

今回の落札価格(手数料抜)86万円でも割高というわけではありません!

いや〜、ヒトは見かけによらないと言いますが、コインもそうですね〜

入札された方々の見識に脱帽です・・・

 

もっとも、事前に上記の記録を見つけていたら自分も参戦したかというと微妙です。

割安なら高額コインでも狙うべきか?で指摘した通り

①将来、採算が取れる程度までの入札額に留めるとすると

90万円÷1.25=72万円となるのですが

これまで72万円もの額で入札したことはありません。

いくら超稀少とは言え、いくらTop Gradeとは言え、この見映えが良くない金貨に

生涯初めて72万円もの大金で入札するかは大いに疑問なのです。

 

以上は入札者としてのレポートでしたが、今度は出品者の立場からもレポートしてみます。

 

稀少なコインは取引履歴を追うことができますが、この金貨も例外ではなく

2018年1月Stack's Bowers NYINC saleで9000ドル(手数料込)

2020年4月オークション・ワールドで56万円(手数料抜)

2021年4月オークション・ワールドで86万円(手数料抜)という履歴でした。

何が言いたいか・・・やはり、割安なら高額コインでも狙うべきか?で指摘した

③稀少で高額な海外コインは将来、落札価格が上昇しない可能性です。

 

コイン高騰が今ほどではなかった2020年4月

この稀少な南米金貨を高く評価する方がいなかったのでしょう。

2018年→2020年では出品者にとって相当の損失になっています。

一方、2020年→2021年では採算ライン56万円x1.25=70万円を突破して

出品者にとって16万円の利益です。

再び入札者の立場に戻りますが、こういうことがありますので

稀少で高額な海外コインは十分な割安価格で入手してこそ資産保全の役に立つ

と言えるでしょう。

 

以上、個人的見解でした。