株式投資を行ったことはありませんが、株式ディーラーが書いた本を読んだことはあります。

株式ディーラーのぶっちゃけ話(高野譲 彩図社)

この本には興味深いことが書かれていました・・・「高く買って、高く売る!」

高騰している株を買って、更なる上昇で売るという順張りと呼ばれる手法が基本であり

これが株取引の7割を占めるそうです。

なぜ、この手法が主になるかと言うと

下落している株を買って、反発したら売る=安値拾い=逆張り

では株価上昇の波に乗れなくなってしまうからだそうです。

一方、自分がコインを入手する手法は

興味あるコインを見つけて割安(相場中央未満)なら入手=安値拾い

これではコイン価格上昇の波には乗れないかもしれません。

しかし、言いたい!「株とは違うのだよ、株とは・・・」

参照:https://www.youtube.com/watch?v=OMrd-GHT8FI

株でもコインでも投機的に入手するなら上昇トレンドに乗るべきかもしれませんが

そもそも、コインは株と違い売りたい時に直ちに売れるわけではありません。

オークションで売ろうとしても出品手続きからオークション開催〜終了まで時間がかかります。

つまり、株と比べるとコインは投機には向いていないのです。

コインの特長は株と異なり無価値にならないこと、このため資産保全に向いていると思います。

但し、贋作を避けること・高値買いを避けることという条件付きです。

オークションで落札したコインは25%程度の価格上昇がないと元を取ることができませんので。

参照:オークションでの落札価格:将来、どこまで上がれば元が取れる?

 

前置きが非常に長くなりましたが、今回のテーマは割安なら高額コインでも狙うべきか?

実例を上げて考えてみましょう。

 

MEXICO 8 Escudos 1761Mo-MM XF45

スタート価格は、なんと!50万円!!

XF45は決して高品質とは言えません。

Grade Populationを見てもNGCで第14位、8枚も登録があります。

しかし、過去の取引記録を調べてみると

海外(手数料込):VF35でも$6000

*XF45の記録は見つけられず、AU53なら$8400

国内(手数料抜):XF45で54万円(この金貨そのもの)・64万円

スタート価格が50万円でも割安であることが分かります。

 

割安なら高額コインでも狙うべきか?・・・狙うとすれば入札額は?

 

もちろん、この金貨を是非欲しいなら、国内過去最高値64万円でもよいかもしれませんが

資産保全としてなら将来25%程度の価格上昇を考慮する必要があります。

高額であればあるほど下落時の損失が大きくなるので、この点は極めて重要です。

国内で64万円で落札された実績があれば、64万円まで価格上昇を期待できるでしょう。

したがって、25%程度上昇して64万円となる額が採算ライン(損益分岐点)になります。

64万円 ÷1.25≒51万2千円・・・これが資産保全を重視した事前入札額となるでしょう。

 

さて、最終的な落札価格は・・・64万円

スタート価格の1.28倍ですから価格上昇は大きなものではありませんでした。

50万円以上ともなれば入札できる人の数が限られるので、競合が激しくなかったのでしょう。

しかし、資産保全を重視した事前入札額では全く勝負になりませんでした。

 

ところで、今回の結果を出品者の立場から見ると

過去の取引記録が価格上昇の妨げになったと言えるかもしれません。

上記の落札価格64万円は国内過去最高値に相当します。

今回の金貨は2018年4月に54万円で落札されたものでしたので

出品者の採算ラインは54万円x1.25≒67万5千円でしたが

国内過去最高値が壁となり採算ラインに届かなかったと言うことです。

 

教訓

高額なコインほど入札できる人の数が限られるため価格はそれほど上昇しないことがあり

過去の最高値が壁になるかもしれない

 

PS

High Gradeではないがゆえのチャンスもあります。

NGC・PCGSに再鑑定を依頼してGrade Upを狙うのです。

思惑通り行くかどうかはギャンブルのようなものですが。