興味深い記事を偶然見つけました。

素人の元所持者が話すアンティークコイン投資は素人が手を出しちゃいけない理由

要旨は次の通りです。

Saxony, 1616, Restrike, Ducat, 3.5g (Au 0.986), X5, NRI 100, AU55

2015年に6万5千円で購入、2019年に4万円で買い取られ、2万5千円の損をした

素人はアンティークコイン投資に手を出すものではない。

 

そもそも、コイン収集は投資ではないですし(コイン商でもなければ)

投機にも向いていないと思います。

コイン収集は趣味を兼ねた資産保全でしょう。

参照:コイン収集は投資?投機?資産保全?趣味?:本日2本目

それを踏まえた上で、この記事には考えさせられることがありましたのでレポートします。

 

記事では次の点を強調しています。

アンティークコインの購入は簡単でも売却は難しい。

買取ショップではアンティークコインでも地金扱いされてしまう。

コイン商での買取価格は購入価格を大きく下回った。

確かに、そうかもしれませんが、考察すべきは次の点でしょう。

コインの購入価格は妥当であったのか?

コインの売却方法は適切であったのか?

 

この金貨は重量わずか3.5g。

Restrikeですが発行は1806~1873年、発行総数は1万枚強です。

一方、AU55はNGCの第31位、high gradeとは言えません。

このような金貨の価値は高いとも低いとも言えないと思いますが

海外での落札価格(手数料込)を調べてみると632.5ドル

上記ブログ主の購入価格は6万5千円ですから、これは妥当だったと言えるでしょう。

 

そうすると、損失を出した要因は売却方法でしょう。

 

そもそも、買取ショップはアンティークコインの価値を評価できないでしょう。

また、コイン商では買取=仕入ですのでアンティークコイン本来の価値では買い取らないでしょう。

実際、上記の金貨はコイン商で7万5千円で売却されていましたので

この金貨の本来の価値は6万5千円から7万5千円に上がっていたことになる一方

コイン商が7万5千円4万円3万円の利益を得たことになります。

*7万5千円は消費税込のため、実際の利益は3万円弱

 

本来の価値で売却したいのならオークションに出品すべきでしょう。

もちろん、出品手続きからオークション開催~終了まで時間がかかりますが

7万5千円で売却できたということは

オークションでなら手数料と消費税の+11%を考慮して

7万5千円÷1.11= 6万7568円・・・6万8千円程度での落札を期待できます。

手取りは手数料と消費税の-11%を考慮して6万8千円 x 0.89=6万520円

・・・上記の買取価格4万円を大きく超えています

6万520円は購入価格に届きませんが、資産保全としては大失敗とまで言えないでしょう。

 

更に考慮すべきはオークション主催者出品時期です。

 

スラブ入の海外コインであれば

海外からも参加者が多いオークション・ワールド主催のオークションが有利でしょう。

 

上記の記事は2019年7月8日付ですが

コロナ禍の前、コイン価格が今ほど高騰していなかった頃です。

売却を急ぐのでなければ、コイン価格が高騰している時期に出品すべきでしょう。

 

様々なオークションに参加していれば(入札不要、見ているだけでも十分)

オークションごとの特性や落札価格の動向が分かるでしょう。

その上で、どのオークションにいつ出品するかを決めればよいのです。

これは素人には難しいでしょうか?

素人でもコインに対する愛があれば、できるでしょう!