インドの藩国が独自に発行した銀貨でインドのアワド王国の銀貨を紹介しました。

今回は金貨、比較してみましょう。

 

(左)Awadh, 1819, 1 Rupee, 11g (Silver), KM165, Numista Rarity Index 90

(右)Awadh, 1819, 1 Ashrafi, 11g (Gold), KM170.1, NRI97, UNC Details Rev Damage

 

金貨はRev Damage:裏面の損傷とありますが、裏面中央の穴のことでしょう。

表面にも向かって右の下の方に穴がありますが、こちらに対する指摘はありません。

インドの銀貨にも時々、穴が認められます。

参照:ムガール帝国5代目皇帝シャー・ジャハン

これらの穴はAdjustment markやPunch markなのかもしれません。

いずれにせよ、穴以外は品質良好、特に、銀貨と比較すると良さが分かります。

 

表のデザインは銀貨でも説明した通り、魚の上に乗って旗を持っている2頭の獅子です。

獅子と言うより舌を出している犬のようにも見えますが・・・

2頭の間には台に載った王冠が描かれています。

魚の方はと言えば、ニボシのように細くなり2匹で輪を作っています。

 

なお、裏の碑文は解読不能ですが、3行目の右側に書かれているインド数字は解読できます。

1234、つまり、イスラム暦1234年(西暦1819年)の発行を示しています。

 

アワド藩国はインド北部の地方政権でしたが、1818~1819年に王国として独立しました。

したがって、銀貨・金貨ともに王国となった直後に発行されたものです。