通常貨とは流通を目的としたコイン、プルーフとはコレクションを目的としたコインです。

参照:コインのグレード、プルーフの場合

自分は元々、流通を目的としないコインはコインではない、と思っていたのですが

モダンコイン?再鋳貨?だったらプルーフでしょ!で述べたように

美しさを追求したプルーフもまた良し、と思うようになりました。

 

では、いったい、どちらが良いのでしょうか?

 

本来ならアンティークコインの通常貨とプルーフで比べたいところですが

アンティークコインのプルーフは、とにかく高価です。

そこで、モダンコインの通常貨とプルーフで比較してみましょう。

 

但し、モダンコインは通常貨のように鋳造してコレクション目的に販売されることもあります。

ですので、ここで言う通常貨とは通常の流通貨と同様に鋳造されたコインとします。

プルーフには各種ありますが、デザインはフロスト処理、背景は鏡面処理されたものとします。

 

France, 1987, 100 Francs Piedfort, 30g (Ag 0.9), KM-P991a

Piedfort:ピエフォーとは厚型コインのことです。

肖像はLa Fayette将軍、アメリカ独立戦争を支援したフランス人です。

 

United Kingdom, 1984 or 1983, 5 Pounds or 1 Sovereign, 39.94g or 7.98g (Au 0.916), KM924 or KM919

肖像はYoung Elizabeth II、裏面はドラゴンを退治するSt. Georgeです。

St. Georgeは4世紀初頭のキリスト教殉教者、竜を退治したという伝説があります。

金貨は年号・額面(重量)の違いがありますが、見た目の比較は可能です。

 

いかがでしょうか?

 

通常貨ではデザインに透明感があり淑(しと)やかさを感じます。

プルーフではデザインが浮き上がり美しさが目立ちます。

 

清々しい淑女がいいか? 際立った美人がいいか?

・・・両方ともいい、ですね。