モダンコインとは過去100年以内に鋳造されたコインを指しています。
参照:コインの種類
歴史が浅くエピソードも乏しいためつまらないです。
再鋳貨とは過去に鋳造していたコインを再度鋳造したコインです。
参照:再鋳貨の謎
オリジナル・コインの方が良いに決まっています。
コイン・コレクションを始めた頃は、そう思っていました。
しかし、何事にも例外はあるものです。
それがこれ↓です。
Bulgaria, 1912 (1967-8), 20 Leva, 6.45g (Au 0.9), 21mm, KM33, Numista Rarity Index 90
表:フェルディナンド1世国王(在位1908〜1918年) 裏:紋章
どうですか!この美しさ!!
ブルガリア独立記念20レヴァ金貨の1967~1968年再鋳貨プルーフ、モダンコインです。
PCGSでは最高評価のPR69 Deep Cameo、自分が調べた時点でたった2枚です。
https://www.pcgs.com/valueview/bulgaria/1912-20-leva-restrike-dcam/1022?sn=389781&h=pop
*プルーフのグレードについてはこちら:コインのグレード、プルーフの場合
一方、NGCの最高評価はPF68 Ultra Cameo(19枚)でPF69UCはありません。
https://www.ngccoin.com/census/world/bulgaria/sc-60/20l/?c=110128
PCGSとNGCを一括りにしてよいかどうかは別として
世界でたった2枚しかない最高評価のブルガリア独立記念20レヴァ金貨再鋳貨プルーフ
となります。
また、PCGSではオリジナル・プルーフ Deep Cameoの最高評価はPR66です。
https://www.pcgs.com/valueview/bulgaria/1912-20-leva-original-dcam/1022?sn=518056&h=pop
一方、NGCではオリジナル・プルーフ Ultra Cameoが見つかりませんでした。
ということは
PF69 Deep Cameoはオリジナル・再鋳貨を合わせたプルーフの中で最も美しい!
ということになります。
なお、Numistaの記録によるとプルーフ(proof)は再鋳貨(restrike)で鋳造2950枚ですが
https://en.numista.com/catalogue/pieces60440.html
NGCの記録ではオリジナルにもプルーフがあり、ともに鋳造枚数の記載がありません。
https://www.ngccoin.com/price-guide/world/bulgaria-20-leva-km-33-1912-cuid-1044916-duid-1299273
プルーフについてもコイン・コレクションを始めた頃
プルーフはコレクション用に鋳造されたコイン
流通を目的としないコインに意義はあるのか
と思っていました。
しかし、このプルーフ金貨を手にして考え方が変わりました。
美しさを追求したプループも良いではないか!
更に、思うのです。
美しければモダンコイン・再鋳貨でも良い
いや
オリジナルよりも美しいのであればモダンコイン・再鋳貨の方が良いのではないか!
考え方を変えてしまう出会い、コインの世界にもありました。