京都市交響楽団第658回定期演奏会に行ってきた。会場は京都コンサートホール。2021年7月18日。
指揮者は大植英次。
曲目は、
ストラヴィンスキー:バレエ音楽「ペトル―シカ」(1947年版)
ミュライユ:シヤージュ(航跡)
ドビューシー:交響詩「海」
舞台上は楽器でいっぱい。弦がいつもの14型が16型になっていて、打楽器の数も凄い。始まる前からワクワクしてしまう。
舞台に対して客席が寂しい。3割も入ってないと思う。前回も同じだったな。
前半は「ペトル―シカ」。
複雑なオーケストレーションをすっきりと見通しよく演奏し、それでいて迫力も十分。楽しい音楽がいっぱいでたくさん楽しめた。
後半一曲目はシヤージュ。
1985年に京都信用金庫が新曲を委嘱した3曲のうちの一つで、京都の石庭をイメージしたとのこと。
なるほど、前半の静かな感じの場面では、そんな印象はあった。また、歌舞伎の拍子木や太鼓の音の雰囲気もあり、日本の印象を取り入れているなと思った。後半は音があふれ大規模で複雑な音楽になって、最後の最後は静かに終わった。
面白かった。存分に楽しめた。
後半二曲目は「海」
「ペトル―シカ」と同様に、すっきりと見通しが良く、大変美しい音楽。特に金管と打楽器がすばらしい。ただ、弦が静かな気がする。大植さんは、この曲だけ眼鏡をかけず小さなスコアだったので、手中の曲なんだろうけれど、折角16型の弦なんだから、もっと弦もあおってほしいかな。
このコンサート、指揮者が大植さんに変わって、もっといろいろ仕掛けてくるかもと思っていたが、そんなことはなく自然で素直な音楽を楽しめた。複雑なオーケストレーションに対してしっかりと音をつかんでいる印象。ただ、京響ならでは弦の迫力をもっと楽しみたかったとも思った。ちょっと贅沢かもしれない。
それにしてもこれだけの演奏を、こんなに少ない聴衆に聴かせるのはなんかもったいないような気がした。コロナ禍では仕方がないか。早く正常に戻ってほしいなと感じた。