松竹座 七月大歌舞伎昼の部公演の感想 2019年7月5日 |   kinuzabuの日々・・・

  kinuzabuの日々・・・

      徒然なるままに日々のこと、考えていることを書き連ねる

大阪戎橋の松竹座で、七月大歌舞伎の昼の部公演を観てきた。2019年7月5日。



歌舞伎初心者の私は松竹座は初めて。今回は二等席で二階後方に座ったが、花道は見えないけれど舞台全体が見渡せて大変良い席だと思った。

三階席も見学に行ったが、ちょっと角度が急かな。驚いたことに小学生の団体が観に来ていた。この辺りでは小学生で歌舞伎を観る授業があるのか!すごいな。



最初は、「色気噺お伊勢帰り」

内容は、お伊勢参りをした左官と大工が、廓遊びをして帰ってくるのだが、その廓から遊女が追いかけてきて騒動になる話。

松竹新喜劇から歌舞伎に翻案したそうだが、新喜劇そのもの。踊りもなく、華やかさも薄い。でも、しゃべくりがすごい。笑いがあふれる舞台だったが、しゃべくりを1時間聴き続けるのも結構疲れる。


二番目は、「厳島招檜扇」

内容は、清盛の権勢を示す話。厳島神社の修理完了を祝い、その場で刺客を取り押さえて放免し、普請が済んでいないを知り檜扇で日が沈むのを逆に上げてみせる

豪華絢爛きらびやかで、これぞ歌舞伎の醍醐味、なんだろうけど、ごめんなさい、全然面白くなかった。ごめんなさい。


三番目は、「義経千本桜」渡海屋・大物の段。

内容は、義経一行が西海に渡るために渡海屋から船を出す。渡海屋の主人は実は平知盛で、義経を滅ぼそうと船の後を追う。しかし平知盛は義経に破れ、海に身を投げて壮絶な死を遂げる。

素晴らしい!大変中身の濃い二時間!仁左衛門さん演じる渡海屋銀平の登場から、張り詰めた緊張感に包まれて、滔々と劇が進んでいく。

それにしても銀平が部屋に座りタバコを吸う姿はすごくかっこよく、また、美しい。横の寸劇を観ている場合ではない。

最後、知盛の身投げの場面は、大変な見もの。壮絶な舞台。まさかここまでやってくださるとは思ってなかった!

身投げだけで終わらず、弁慶の最後のほら貝で弔うのも大変よかった。ジーンときて、涙があふれた。


ということで、最後の「義経千本桜」が、もう大変すばらしくて感激した。ダイナミックな舞台に細やかな所作が絡み合い、身投げのシーンへつながった。見事としか言いようがない。

昨年の南座から続き、良い歌舞伎を観ることができて大変良かった。歌舞伎の世界にもずぶすぶ埋まって行きそうな気配。次がまた楽しみ。