ボローニャ歌劇場来日公演 ヴェルディ『リゴレット』 びわ湖ホール 2019年6月18日 |   kinuzabuの日々・・・

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ボローニャ歌劇場引っ越し公演、ヴェルディ作曲歌劇『リゴレット』に行ってきた。会場はびわ湖ホール。2019年6月18日。

 

 

 

ボローニャ歌劇場、びわ湖ホールのこけら落としで来てもらっただけに、びわ湖ホールとは縁があるのだろう。土日公演は無理だったが、びわ湖には来てくれた。

でも、平日夜のびわ湖ホールは集客が厳しい。3階4階のS、A席がガラガラ。2階席は未確認だけど、後方は空いてたんじゃないかな。これだけ入らないなら、平日は昼公演にすればいいのにと思ってしまった。


さて、公演内容だが、リゴレット役のアルベルト・ガザーレがもうすばらしくて。終始彼の響き渡る美声に酔いしれた。リゴレット役には声がきれいすぎるかもしれないが、いや、もう、この声を聴いているだけで幸せ。今日はこの歌を聴くために来たようなもの。演技もよい。

ジルダ役のデジレ・ランカトーレは、いろんな来日公演でおなじみ。でも、この人の絞り出すような高音はどうしても好きになれない。演技もあかん。下着がずれるのが嫌なようで、死の間際でも下着を手で引っ張っているのはなあ。気持ちはわかるけど。

マントヴァ公爵役のセルソ・アルベロは輝かしく明るい声を披露するが、目立つところ以外は温存するタイプ。こういう人も好きになれない。でも2幕のアリアでブーが出て、それ以降の歌が変わった。荒いが、力の限り歌うようになった。ブーも役に立つのね。

他には、スパラフチーレ役のアブラーモ・ロザレンが深い声で大変良かった。まさに殺し屋。その妹役のアナスタシア・ボルドィレバは、スカートのスリットから現れる長い脚にドキドキした。


演出は、舞台上に3面の壁が現れ、そこにローマ軍兵士のような集団が女性と性交しているような卑猥な絵で埋まっている。後ろの壁が上がってから舞踏会のしつらえなどが現れる。そこに装置やら、ダンサーの卑猥な踊りなどが絡まっていく。

印象的だったのは、ジルダの登場。舞台上に大きな戸棚があり、そこに人形のようなジルダが立っている。戸棚には女の子が遊ぶような人形でいっぱい。ジルダは人形のようにリゴレットのみの愛の対象として育てられたのだろう。それが、教会でマントヴァ公に出会って人生が変わる。

最後にマントヴァ公の代わりに死を選び、の死の間際でジルダが自分の服を脱ぐのも、リゴレットの呪縛から離れたかったからかもしれない。そんなことを思った。

それにしても3幕の船というかはしけというか、その装置の貧弱さにあきれた。まあ、しっかり作っているのはわかるけど、舞台の大きさからすると小さくていかにもしょぼい。そこで、マントヴァ公が殺し屋の妹と戯れ、ジルダが殺される。なんか、気分が高まらない。とはいえ、ガザーレの叫びはものすごいので、そこは大変すばらしかった。


指揮、オケは、まあよかったと思う。よく歌うし、弦なんか深いね。でも多数の人が歌う場面でまとめきれないところがあり、歌ともずれが目立った。もうちょっと頑張ってほしいかな。

合唱はよかった。しっかり場面を締めてくれた。


ということで、今回の公演は、とにかくガザーレ!彼の歌を聴けて大変幸せ。日曜日に大阪のフェスティバルホールでも歌ったらしいので、聴いておけばよかった。公演全体としては、いろいろ文句はあるけれど、そこそこ楽しめたかな。演出も3幕の船以外は細部にキレがあった。

 

やっぱりびわ湖ホールでのオペラはいい。次は『トゥーランドット』。楽しみにしてます!