京都市交響楽団 第634回定期演奏会の感想 京都コンサートホール 2019年5月18日 |   kinuzabuの日々・・・

  kinuzabuの日々・・・

      徒然なるままに日々のこと、考えていることを書き連ねる

京都市交響楽団第634回定期演奏会に行ってきた。会場は京都コンサートホール。

 

 

指揮はカーチュン・ウォン、ヴァイオリン独奏はラグンヒル・ヘムシング。

曲目は、
吉松隆:鳥は静かに...
シベリウス:ヴァイオリン協奏曲ニ短調
フランク:交響曲ニ短調

指揮者は全く知らない人だけど、若く活きがいいらしい。でも、定期会員でない限り聴きに行かないと思う。

ホワイエでの掲示に、「吉松隆とシベリウスは続けて演奏します。拍手はご遠慮ください」とあり、何をやるのか楽しみになった。

ホールは7割ぐらいの入りかな?曲目と指揮者を考えると入った方かと思う。コントラバスが舞台最後列に一列に並んで配置されて、音響がどうなるか楽しみ。


一曲目の吉松隆、弦楽合奏なのね。静かな曲。優しさにつつまれて、音が消えていくとヘムシングが舞台袖に現れて、ヴァイオリンを弾き始めた。あれ、吉松隆の曲が終わってないよね、シベリウスじゃないし、と思ったら、実はシベリウスのヴァイオリン協奏曲が始まっていた。二つの曲が溶け合った不思議で美しい瞬間。

シベリウスのヴァイオリン協奏曲は、あれ、こんな曲だっけ?と思えるほど優しくゆっくりで音量を抑えた管弦楽。独奏のキレのいい音が大きく響きわたり、こういうのもありかと思う。もちろん管弦楽もここぞというところでは激しい。

指揮者は管弦楽の細かいところにいろいろ指示を出し、室内楽のようなくっきりした音像を浮かび上がらせ、極めて独創的な音楽を形作っていく。それは独奏者の演奏も含めて支配しているように思えた。とても自然で、音が溶け合って気持ちの良いものだった。

ヘムシングのアンコールあり。よくわからないけど、特殊なヴァイオリン?を持ってきて、ノルウェー民謡を足踏みを交えノリノリで弾いていった。


後半は、フランクの交響曲。私はこの曲を聴いたことがあると思って予習をしてこなかったが、全曲聴いた後に全然聞いたことがないことが判明(^^;

それでも楽しく聴きましたよ。指揮者はやはり細かく指示をだし、管弦楽を鼓舞し、各声部を浮かび上がらせる。エッジを効かせて、自由自在にテンポや音量を変えて、のびやかに音楽を楽しむ。ここにたどり着くまでにどれだけの練習時間を費やしたのかと思う。シベリウスもそうだけれど、本当にすばらしい。

フランクの交響曲について、ウォンさんは「ブルックナーのようだ」とおっしゃていたが、聴いた感じはわからんでもないなと思った。メロディが華やかなのが大きな違いかな。コントラバスの配置は重低音が良く響いて迫力が一段上がった感じ。

と、十分楽しんで、演奏も終わり。拍手はもっと後でもいいかも。


ということで、今日の主役は間違いなく指揮者カーチュン・ウォンさん。すごい音楽を聴けたと思う。また、彼の厳しい要求に十分に応えた京響ももちろんすばらしい。この人の指揮を聴けて良かった。定期会員になっててよかった。若い有望な指揮者の今後に期待大!