『吉例顔見世興行』の感想 11月昼の部 京都四条南座 2018年11月9日 |   kinuzabuの日々・・・

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京都四条のリニューアルした南座で、吉例顔見世興行を観てきた。今年は12月だけでなく11月にも公演がある。その11月の昼の部に行った。2018年11月9日。

オペラにはいくけれど、歌舞伎は初めて。とても楽しみにしていた。お昼に何を食べよっかなー(^^


10時半に始まって、15時半に終わるとあって、昼食は必須。いろいろ考えて、結局高島屋で弁当を買うことにした。他に幕間に出前で弁当を頼む方法もあるらしい。歌舞伎座でも弁当を売っていた。10時前に高島屋地下の入り口に並んで、10時ごろには30人ぐらいの人。開店とともに弁当売場に行って、お目当てのお弁当をゲット。贅沢して辻留のお弁当、なんと5400円!



これでお昼も安心。さあ、南座へ。


南座に行く途中に明らかに舞妓さんの集団がタクシーから降りてきたのが見える。皆さん観劇のご様子。雨だったから、かわいそうかな。

南座前の広場は人でごった返していたけれど、多くは音声ガイドを借りる人の列だった。ささっと中に入って、階段を上って自分の席に着いた。3階席だけど、花道以外はよく見える。1階上手側に綺麗どころが並んでいた。

 



さて、一幕目、『毛抜』。姫の髪毛が逆立つ理由が磁石であることを見破り、仕掛けた家来を打ち取る。主役の弾正は派手ないでたちで造作も大きく、舞台の華やかさとともに、これぞ歌舞伎!という幕。

二幕目、『連獅子』。二人の狂言師、獅子が踊る。二人の息がしっかりと合わないと破たんする踊りなんだろう。前半の狂言師は若い側が固いかなと思ったけれど、後半の獅子はそんなことはみじんも感じさせない立派な踊りだった。後ろに居並ぶ三味線、太鼓、笛、謡が壮観だった。間にあった、僧二人の漫談も好き。


二幕目の後に30分の休憩があって、辻留のお弁当をたべた。どれもこれもしっかりとした味がついて、妥協のないお弁当。大変おいしい。でももっと量があればいいのになあと思った。


そして、三幕目、『封印切』。飛脚屋が手を出してはいけない客の金に手を出してしまう人情もの。仁左衛門の演技が泣ける。八衛門やおゑん、もちろん梅川あってのことだろう。舞台芸の奥の深さを感じた。

最後の四幕目、『鈴ヶ森』。美しい侍が雲助を切っては切ってを繰り広げ、「おわけえの、お待ちなせい」の声で振り返り、江戸で身を引き受けてもらうという話。切って捨てる様は踊りのように美しかったが、手が切れたり、足が切れたりするのはあまり趣味がいいとは思えないし、初めて退屈だと思った。


以上で昼の部終了。公演4時間、休憩1時間で、オペラでいえばワーグナー並みか。でも、こちらは、4つの幕すべてで趣向を変えて、いろんな面で楽しませてもらえたと思う。どの幕も一時間以上かかっているとは思えないほど時間が早く感じた。『鈴ヶ森』は少し退屈したが、初歌舞伎だし、これだけ満足できたら十分だろう。

観劇中に気になったのは掛け声かな。ビシッと決まればいいのだけれど、そうなることは少ないので、、、

また、建物についても興味があったので、休憩時間にうろついてみた。改装後とあってきれいだったけれど、天井の低さや通路の狭さなど、古いところはたくさん残っていた。建物前の広場も狭く、人の出入りが大変だった。狭い京都だから、そう簡単には拡張できないよね。まあ、狭いからこそ、3階席でもよく見えるわけで。

初歌舞伎で、歌舞伎は面白いなと思えてとてもよかった。南座なら近いし、またいい演目があれば、行ってみようと思う。