NDRエルプフィルハーモニー管弦楽団演奏会の感想 京都コンサートホール 2018年11月1日 |   kinuzabuの日々・・・

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NDRエルプフィルハーモニー管弦楽団の演奏会に行ってきた。会場は京都コンサートホール。2018年11月1日。指揮はアラン・ギルバート、ピアノ独奏はルドルフ・ブッフビンダー。

 

 

この演奏会は、当初の指揮者はトーマス・ヘンゲルブロックだったのが、アラン・ギルバートに変更になり、さらに直前になって、ピアノ独奏がエレーヌ・グリモーからルドルフ・ブッフビンダーに変更になった。チラシもグリモーになっている。私は、ブッフビンダーに変更になってからチケットを買った。京都コンサートホールの数少ない好きな席が空いていたというのもある。

さて演奏会。舞台上のオケは、前を空け、後ろも空けて、広い舞台を狭く使っていた。客席の入りは6分ぐらいか。

 


で、1曲目のワーグナー『ローエングリン』序曲。極めて丁寧な指揮で、各声部もくっきりと浮かび上がって、弱音から強音まで優しく包み込まれるような音楽だった。最後は、指揮棒を高く上げたまま数秒保ち、ゆっくり腕を下すと盛大な拍手。一曲目からこれかよ。すごいな。

 


2曲目はベートーヴェンの第4ピアノ協奏曲。舞台の前を空けていたのは、ピアノを舞台袖から中央に移動させやすくするためだったようだ。

 

ここでお目当てのブッフビンダー登場。きらめくピアノの音にもう天上の味わい。指揮はやはり各声部を明確にしながらも、ピアノをあおるかのように激しく揺さぶる。でもブッフビンダーは知らん顔で自分のピアノのロマンティックな世界に没頭している感じ。こういうの好きだわ。ピアノの美しさとオケのクリアな音が合体して、すばらしい音楽を存分に味わえた。

ブッフビンダーのアンコールあり。ベートーヴェンピアノソナタ18番第2楽章。

 


最後の3曲目は、ブラームスの交響曲第4番。これまでの明解な指揮からうって変わって、各声部が重なり合って怒涛のようなうねりを伴った音の洪水に翻弄される。最後までクリアさよりも、情熱的な音楽をこれでもかと突きつけられた。熱い熱いブラームス。こんな音楽を聞かせてくれるとは思ってなかった。痺れました。

アンコールは、ブラームスのハンガリー舞曲第6番と『浜辺の歌』。後者は最初、ドビュッシーの『海』のテーマで始まったから、これから全部やるのか?と思ったが、さすがにそれはないよね。


いい演奏を堪能できた演奏会だった。ブッフビンダー目当てで行って、それはそれで大変よかったのだけど、ギルバートの指揮もすばらしかった。丁寧で明解なだけでなく、熱い情熱がほとばしる音楽を楽しませてくれた。やっぱり、いろいろ聴いてみないとあかんな。お金がかかって大変やけどね。