ドニゼッティ作曲歌劇『連隊の娘』の感想 2017年2月11,12日 びわ湖ホール |   kinuzabuの日々・・・

  kinuzabuの日々・・・

      徒然なるままに日々のこと、考えていることを書き連ねる

びわ子「みなさーん!こんにちわー!!」

おおつ「こんにちは。今日は、びわ湖ホールのオペラへの招待ドニゼッティ作曲歌劇『連隊の娘』の公演に来ています」

びわ子「なんか、歌手が高音を絞り出して歌うオペラって聞いたけど?」

おおつ「絞り出すのかどうかは聴いてみないとわからないでしょ?まあ、高音の連続で『その難しさゆえに日本で上演される機会の少ないオペラ』とチラシにも書いてあります」

びわ子「で、どんな筋なの?」

おおつ「チロルを攻める連隊に育てられた娘がチロルの若者と恋に落ちます。しかし、娘は実は貴族の血筋でパリに行くことになり、生き別れになります。でも、パリで再会して二人の結婚も認められハッピーエンドで終わります」

びわ子「アルプスの少女ハイジが実はクララと従妹だったみたいな?」

おおつ「うーん、なんか微妙に違うような。では、公演を観ましょう」


(2月11日と、12日の公演を観ました)


おおつ「いかがでしたか?」

びわ子「兵隊って、暇があれば腕立て伏せとか、腹筋鍛えたりするもんなんやな」

おおつ「歌のバックで時間があるので、何か動くことを考えたのでしょ、って、そこじゃないでしょ?」

びわ子「ソプラノのねーちゃんと、テノールの兄ちゃんの高音が半端なかったわ」

おおつ「そうそう、マリーの藤村さん、飯嶋さん、ともに高音はズバッと出し、装飾音もきれいに決めてくれました。飯嶋さんはもうちょっと声量がほしかったかな。一方、トニオの山本さんと小堀さんともに何度も出てくるハイCをビシビシ決めてくれました」

びわ子「ハイCって何?昔ハイシーオレンジってのがあったな。ハイシーレモンも」

おおつ「今でもありますよ。えっと、そっちではなくて、ドイツ語でハイツェーと読むそうです。テノールの音域の限界の高音です。このオペラには、この高音が何度も出てきます。それをしっかり歌ってくれました。1日目の山本さんは太い声で魅了してくれました。小堀さんはちょっと弱弱しいかなと思ったけど、1幕最後の伸ばし方は尋常ではなかった。二人ともしびれましたね。二幕ではさらに半音あげて歌ってくれたし」

びわ子「二人ともすごく良かった。こんな声が聴けて良かったよ」

おおつ「そうですね、このオペラは、筋はともかく、歌手の高音が命ですから、こういうしっかりした高音を歌える歌手をそろえてきたびわ湖ホールに感謝です。みんな若いし、すごいことだと思います」

びわ子「他の歌手もよかったよ」

おおつ「ベルケンフィールド公爵夫人の本田さん、鈴木さんの太い声が心地よく響き、雰囲気もあっていたと思いました。ピアノも弾くし。スュルピスの砂場さん、五島さんも存在感が半端なくて、よい歌を聴けました」

びわ子「演出はどうだったの?」

おおつ「装置は1幕2幕共通の壁があって、1幕のチロルの山中と2幕のパリの一室をとを小道具と光で表現してました」

びわ子「大砲が出てきてびっくり。でも煙を出すのにコンセントを挿しに行ってやんの」

おおつ「あの大砲はいい味出てましたね。あと、兵隊がしっかりと行進するのが良かった。リズムはもちろん足を上げる高さまでそろえて。しっかり練習したのでしょう」

びわ子「行進は楽しかったな。合唱もすごかったし」

おおつ「まさに合唱の素晴らしさも、この公演を引き締まったものにしていたと思います」

びわ子「指揮とか、オケとかはどうなの?」

おおつ「指揮は軽やかで、明るくて、ピシッとして、緩急がはっきりしていて、聴いていてとても気持ち良かった。ピットに入った大阪交響楽団も十分に指揮に付いて行ったと思います。やっぱり指揮の園田さんのイタリア物はすばらしい」

びわ子「今回は不満はないの?」

おおつ「上記で些細なことを書きましたが、本当に素晴らしかった。これが4500円(会員価格)で楽しめるというのですから、やるな!びわ湖ホール!!という感じですね」

びわ子「ふーん、いつも文句の多いあんたがそう言うんだったら、よかったんだろうね。私もむっちゃ楽しんだよ。こんな楽しいオペラをまた観たいな」

おおつ「ですから、また、オペラを観に行きましょう!」

びわ子「うん、またオペラを観に行きましょーねー」