モーツァルト作曲 歌劇《魔笛》の感想 2015年11月28日いずみホール(大阪) |   kinuzabuの日々・・・

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大阪、いずみホールのモーツァルト《魔笛》の公演に行ってきたので、感想を。

とにかく声、歌で一杯の公演だった。感激の連続でもう胸がいっぱい。歌手は皆すばらしかった。これだけの歌が聴けるとはなんと贅沢なことか。


最高だったのは、パミーナの砂川さん!力強く、芯があるけど、やさしく、あたたかい。なんとすばらしいパミーナ。さすが砂川さん。

また、3人の童子は、今回3人のカウンターテナーを役に使うと公演前から話題になったけど、それが大成功。なんと凛々しい子供たちよ。童子という役にぴったり合った声で魅了してくれた。彌勒さん、藤木さん、村松さん、とてもよかった。ありがとう!

そして、夜の女王の大武さん!どこまでも伸びていく安定した高音。そして最高音で声を伸ばす!実力を誇示するかのようだった。

パパゲーノの晴さんは、大阪弁のセリフがとても自然で楽しく、そして明るい声で張りのある歌!すばらしい。この公演の主役やったね。

他にも、ザラストロのハオさんは、超低音から高音まで幅広く声が出て、懐の深い明るい声。タミーノの中井さんは、若々しいひたむきな声。安定してぶれない。3人の侍女は、それぞれがヒロインを歌うような実力派ぞろいで、歌も演技も満足。

歌にはホント興奮した。大満足。


指揮は、まあ、こんなものかな。もうちょっと軽快な方が私好み。でも、公演をしっかりと締めてくれたのはとてもよかった。

オケは、しゃあないわな。ガサガサしてて。でも歌を邪魔するほどではなかった。

演出は、とてもよかった。物語の内容を分かりやすく聴衆に伝えること、それが十二分にできていたと思う。コンサートホールでのオペラという制約の中で、演奏会形式とは違う、ホールならではのオペラだった。

パパゲーノとパパゲーナの二重唱が始まった時、思わず涙がこぼれてきた。

個人的には、びわ湖ホールであったコンヴィチュニーのワークショップで、『《魔笛》は夜の女王の宗教とザラストロの宗教の勢力争い』というようなことを聞いたことがあり、今回の公演をみて、なるほどと腑に落ちた感じがした。

ホールのオペラは演出不要というのが私の見解だったが、宗旨替えが必要かも?


ということで、歌が最高で、演出もホールならではのよさが感じられ、楽しさにあふれたいい公演だった。またこんなオペラに会いたいな。