パリ管@京都11/23 |   kinuzabuの日々・・・

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今日は京都コンサートホールでパリ管の演奏会。指揮はパーヴォ・ヤルヴィ。

一曲目はメシアン「忘れられた捧げもの」。緩急緩の曲。緩のときの弦の美しさが際立ち、急の時の爆発。このオケは、とても小さい音が正確に出せる。

二曲目はラベル「ピアノ協奏曲」ソリストはダヴィッド・フレイ。ラベルにしては、もう一つ色彩感が感じられない。楽しい曲のはずだが、はずんでもない。なんか印象に残らなかったが、ピアニストのアンコールはあった。パルティータ第6番。バッハだとは思ったけれど、もっとロマンティックだった。

休憩後はベルリオーズ「幻想交響曲」。Twitterでこのオケの千々岩さんをフォローしているので、普通の幻想でないとは予想していたが、ここまではやり倒すとは思っていなかった。第一楽章からゆっくり始まり、弦に正確かつ弱い音を求め、強くなってそのまま進むのかと思いきや、また静かになる。こんなやり方もあるのかとうなった。この曲の中に静寂があることを知らなかった。それにしても弦、木管、金管の美しいことよ。

第二楽章も音の強弱、メロディの緩急で、ゆっくり曲に浸れない。じらされるが、最後は楽しいワルツ。

第三楽章。いつもは長くて退屈なのに、この楽章をこんなに短く感じたのは初めて。ここでは反対に音を大きく響かせて静かな曲の中に持つ強さを感じた。

第四楽章。やっぱり静かにゆっくり始まったが、途中から激しい。ここでは緩急ではなく、音の大小。でも最後の盛り上がりは半端でない。なんだ、あのティンパニの音は!

第五楽章。もう完璧。美しく、グロテスクで、最弱音は弱弱しく、最後の盛り上がりは大音響がさく裂。終わったらブラボーの嵐。

アンコールのビゼー「アルルの女ーファランドール」。これもゆっくり弱く始まり、最後は早く強く爆発。どうもこの指揮者は最弱音とゆっくりなメロディーと、爆発的な最強音と、ここぞという時の素早いパッセージで見せる。でも、ところどころで曲の今まで知らなかった部分をえぐりだして聴かせてくれる。何度も聴いてきたのに、新しい発見がある。

最後のアンコールはシベリウスの「悲しきワルツ」だったが、弦と木管の美しさが際立つメロディだった。


パーヴォ・ヤルヴィはすごい指揮者だ。音の強弱、メロディの緩急を自在に操り、今まで聞いてきたものと違う世界を見せてくれる。その指揮を忠実に演奏しうるパリ管はすごいオケだった。弦は極めて美しく、弱音も強音も乱れることを知らない。木管も美しい音を奏で、迫力もある。金管は正確でも迫力満点。そして打楽器のレベルの高さと言ったらもう言葉がない。

これほどまでに優秀なオケは少ないだろう。これに優秀な指揮者がいれば鬼に金棒、怖いものはない。そこにパーヴォ・ヤルヴィがいる。このコンビはこれからもセンセーションを巻き起こしてくれるに違いない。