奈良の外国人観光客で、奈良に宿泊する人が5人に1人、というニュースがあった。
それに対し「宿泊施設を増やす必要がある」ということを誰かが言ったらしい。
何だか短絡的な気がする。
宿泊施設が増えても、滞在するだけの魅力があると思われなければ宿泊はしない。京都も近いから、有名で、観光地が密集し、食事も美味く、便利のよい京都に宿泊するのだと思う。
しかし、奈良には奈良のよさがある。
広い境内の京都より古い寺院と仏像群
山や田んぼの中にあるひなびた寺
あちらこちらにある古墳
山之辺の道や葛城道などの歴史のある山道
長谷寺、室生寺など、奈良の中心部から離れた山の中の大きな寺
飛鳥の古墳群の大昔にはせる夢
そういう京都にない日本の歴史的な一面を世界的にアピールできていないのだと思う。分散しているから、観光のための効率が悪いというのもあるかもしれない。
でも、観光地が分散しているからこそ、ゆっくりと奈良を楽しんでもらうためには、何泊かしてもらわないといけないと思う。それだけの価値があるのだ、ということを世界的にPRしないといけないのだと思う。
単に宿泊施設を増やすだけでは、誰も泊まってくれない宿が増えるだけだろう。
まずは、奈良がもつ京都とは違う古都の魅力を、もっと効率的にアピールする方法を考えるべきだと思う。大仏だけが奈良ではない。