高校同級の友人が「がん」を発症して3年、治療が功を奏しているので「ちょっと老けたかなぁ」と見えるものの、いたって元気です
そういえば頻繁に連絡を取り合うこともなく、音沙汰が無いなぁと思いだす頃合いに「旅行に行ってるで」と風の噂を耳にするので、仕事現場からだんだん距離を置きだしたんやなと
彼が特定社会保険労務士となり、和歌山経営労務事務所を開設してもう40年近く経ち、いろいろな分野の方々と交流し、幅広い活動を繰り広げていることを嬉しくも、羨ましくも思っていたのだけれど・・
そう、サラリーマンなら再任用も終わり、世間的には悠々自適に過ごしても良い時期なんだろうけどと、半ば納得せざるを得ないのかと思うところでありました
そうこうしていたある日、本人から「がん」になったと聞かされ、びっくりするやら・・驚きと、悲しみと諦観が混ぜ合わさったような思いに捉われていました
7月だったか、彼から突然電話があり、「今、がん患者に役に立つ本を書いているんや、自分は社労士やし、企業向けに「がん」を患った社員と仕事のあり方について講演もしている、厚生労働省も力を入れて取り組んでいるから」とのことです
そして、「がん治療に際し、行政が患者をサポートする施策について詳しく知りたいし、文章の流れを手直ししてくれへんか」
そういう事なら得意の巻「よっしゃ、健康局と福祉局に教えてもらおうか」と打ち合わせ
がん治療などの施策について、和歌山市で実施している施策を基本にチェックしてもらい、僕の方は文章の句、節を入れ替えたり説明を詳しくしたり、作者の意図を分かりやすくするお手伝いをしてゲラにし、本人が最終手直しをして印刷、製本に至りました
はたして、広い交友の一つであるNPO法人いきいき和歌山がんサポートが、本の完成を祝ってお披露目会を開くということです
完成した「社労士が書いた自分らしい「がん」とのつきあい方」が10月22日付ニュース和歌山で紹介されました
今日はNPO法人いきいき和歌山がんサポートによる出版お祝い記念講演会です
法人理事長で北里大学病院の谷野先生やいきいきがんサポートの皆さんからお祝いの詞と法人のロゴマークが入ったグラスが贈られました
聴講された多くの方々や富永君の50年来の友人たちが刊行を喜んでいます
彼曰く「一人でも多くのがんを患っている人に読んでもらえたら嬉しい」と
和歌山市の図書館やコミュニティセンターにこの本を寄贈したいという彼の意思で、過日、和歌山市長を訪ねました
刊行間もない本の寄贈式が和歌山市長の部屋で始まりました
携えてきた本を市長に手渡します
寄贈に際し、市長より感謝状が贈られました
がんに対する医師の視点から見た書籍はたくさんあるが、患者側から見た書物が余り見当たらないこと、そして「がん」と診断された時、何を、何処に相談出来、自分自身がどうすればよいのか、路頭に迷い落ち込んでしまいがちな事に対して手を差し出す事が出来たら、という気持ちが執筆に向かわせた事、いざ文章にするに当たって、ナーバスにならざるを得ない罹患された方に対する言葉の取捨選択の難しさ、そして担当部局の協力などを話題に懇談しました
和歌山城を背景にして記念撮影
「がん患者が書いた・自分らしい「がん」とのつきあい方」は和歌山市民図書館はじめ市内のコミュニティセンター図書室に配本されています
もちろん国会図書館にも寄贈されていますが、これから県内の図書館や公共施設に配本出来るよう準備が進められられます
和歌山市議会議員 北野 均