早春の旅二編、その1 | Kinちゃんのつれづれ日記in和歌山市

Kinちゃんのつれづれ日記in和歌山市

和歌山市政の現状、議会活動などをわかりやすく紹介したいと思っています。趣味のバンド(Sun oz band)活動なども紹介します。

会派4人揃って行く初めての視察で、石川県輪島市と富山県富山市を伺いました
視察先で何を得るのか、それぞれに違ったものを受け取り、良い経験になればいいとの思いを抱いて出発

その日の和歌山は20℃を超す陽気で、ついコートを忘れたのが・・・

新大阪駅で流れるアナウンスは「強風のため雷鳥の運行取りやめです

「えーほんまかえ、難義やなぁ どうすらぁー
」「まぁ駅員に聞いてくらぁー」
情報では30分後に臨時電車が出るとの事、ホームに溢れた方々と一緒に乗り込みました


琵琶湖を過ぎた辺りから厚い雲が覆いはじめ、その内雪が横殴りに降ってきました


「寒いやろなぁ」「コート貸しましょか」「まぁええよ、いざとなったら現地で買うよー」などと話しながら3時間余り、石川県の七尾駅に到着
臨時電車はここまでで、のと七尾線に乗り換えですが、禍転じて福となす、特別仕様の列車「のと里山里海号」に乗車


七尾駅、穴水間33・1㎞を結ぶ「のと七尾線」は石川県、七尾市、穴水町、国交省、民間で運営される鉄道で、車内は濃紺(日本海ブルー)の座席、能登工芸品で設えた落ち着いた雰囲気の列車です

道中の見所は車内アナウンスしてくれるなど、女性乗務員はサービス満点で、列車もその度に速度を落として進むなど、おもてなしに特化された「のと里山里海号」は、約1時間かけて穴水駅に到着
穴水から輪島までは鉄道が廃止されたため路線バスでの移動です

道中随分掛りましたが、日曜日なので時間の余裕があり、気分は上々です


あくる日、輪島の朝市は是非行っておかなくてはということで、ホテルの朝食は摂らずタクシーで直行
運転手に聞くと「今日は吹雪いているから店が出ているのか分らないですねー」

現場に着くと何軒か出店準備中、目当てにしていた朝市さかばが開店していたので駆け込みました

食堂のご主人に聞くと、今年は海水温が高いので氷見の寒ブリは超不漁とのこと

それでも朝から海鮮どんぶりを平らげる者やオーソドックスに干物焼き魚定食を味わう者たちが朝食を済ませ、朝市通りを散策


吹雪いている為なのか、お客さんの姿は我々と外国人の二組だけで、店のおばちゃんから「サービスするから買ってちょうだい」とお声掛け、ついつい釣られてしまいます


輪島市役所から出迎えて頂き、早速「様々な再生計画の流れを踏まえた市街地の活性」についてお話を伺いました


輪島市議会議長森正樹氏のご挨拶に続き、建設部技監野口氏から輪島港マリンプロジェクトなどについて詳しい説明
輪島朝市通りの整備の苦労や輪島港の再整備、クルーズ客船おもてなし事業など、大変きめ細かい事業の進め方に、聴いていて熱くなる思いです

出された茶器は輪島塗で、一脚6万円とのこと
思わず持つ手が震えます
野口技官の説明では、透けて見えるほどの素材の器に漆を重ね塗りする工程は500回以上なので・・
なるほど
それにしても高価です
お茶をすすりながら「町中が協力してくれる事業に携わって、やりがいが有りますね」と声を掛けると、技官から「今までには失敗もあったんですよ人口3万人を切る小さな街ですから出来るんですよ」とご謙遜


お話を伺っていて頭を過ぎったのは、決算統計に表される人口、予算規模を比べることで何やら分った様な気になってしまう虚しさや流行の様に叫ばれるコンパクトシティーとは一体何ぞや
街そのものがコンパクトな輪島市の街づくりの在り様と和歌山市のそれには大きな違いがあるではないかという思いでした


お話の後、質素な市役所玄関ホールで記念撮影
これから輪島市議会事務局員に案内して頂き、世界農業遺産に選定された白米千枚田を見に行きます


日本海の荒波が打ち寄せる海岸縁から上る山肌に、千枚を超す小さな棚田が連なっています
この田はオーナー制度による田圃のオーナーが払う会費で運営されているとのことで、全国から訪れる観光客が増え、輪島市の観光資源となっているようです


輪島市からバスで金沢駅に移動、金沢から北陸新幹線で富山市に入りました
人口42万人、財政規模3521億円の北陸地方の大都市です


北陸新幹線の開通で、予想以上の効果が上がり、現在富山駅周辺の再整備を進めているとのこと
富山市での目的は、小中一貫的連携教育について伺うことで、その実践状況は現場を見せて頂くこととしています


早速中心街にある芝園小中学校に出向いたところ、小学、中学の教頭先生の案内で学校施設を見学させてもらいました
雪の多い街なので、建屋内がゆったりしており、小学校棟では子どもが元気に遊んでいます

中学校棟はちょうど期末テスト中で、話し声は控えめに、静かに歩いて周ります

同一敷地内に小学校と中学校が併設され、いすれもオープンスペースの作りになっており、日常的に生徒同士が触れ合う機会が多く、進学した際に起きる中学1年生問題が少ないのが大きなメリットであるとのことですが、連携にこだわった特別のメニューを作っている訳ではないとのこと


一通り校内見学が済んで、会議室で質疑応答です
教育効果が他校に比べ高いのが評判になり、校区外からの入学希望者は定員の2倍程度となるので抽選が必要とのことです

和歌山市でも平成29年から小中一貫校が開校されますので、この視察内容は教育委員会に伝えます

この視察はほんとに来て良かったなぁという思いですが、まさかの吹雪にコート無しでの市中歩きは、寒さに震えると同時に、街行く人の目には変人のように映っていないか危惧されるところではありました


                     和歌山市議会議員 北野 均