カセットテープがワカメ -130ページ目

カセットテープがワカメ

キノコ国本剛章の音楽活動・妄想・ノリツッコミなど。

通称「井戸のテーマ」、一部のシブ好みの迷宮組曲ファンの方から支持されています。「FAMICOM 20TH ANNIVERSARY ORIGINAL SOUND TRACKS VOL.2」でいうと#82「城内BGM(井戸BGM)」「20世紀ファミコン少年」でいうと1-#35にあたります。前回の「聞き比べ」の問題、この「井戸のテーマ」で比較したらほとんどの皆さんが正解したんじゃないでしょうか。それほど極端にこの2枚のCDでは『音の輪郭(エンベロープ)』が違いますね。
で、前回私は「違和感がある」と申し上げたワケですが…逆にこの「井戸のテーマ」に関しては違和感は全くないんですよ。むしろ「ファミコンのホワホワした輪郭もいいよなー」と好意的に聞こえるのです。このくらい『輪郭』がかけ離れていると原曲とコンバート後の曲は全くの別モノとして捉えられるワケです。で、ファミコン版「井戸のテーマ」はキノコさんにとってはナゼか『ロシア』のイメージ。ミロンくんがコサックダンス踊ってるような…最初作っている段階ではロシア風なんて思いもよらなかったんですよ。ただ結果として鳴ってる音を聞くとロシア風に聞こえる…『音の輪郭』がもたらす効果、全く侮れません。このエンベロープを採用したのはやっぱりsasagawaさんなんですかねえ。当時はお互いにいっぱいいっぱいでこういう余談っぽい話は伺ったことないんですけど…

さて前回の問題の解答編。
2つの「チャレンジャー」SCENE1のBGM、違いはズバリ!音の『輪郭』でした。楽器の音には人間の顔と同じようにひとつひとつ違う輪郭があるのです。CD「20世紀ファミコン少年」の主旋律はFM音源ユニット「SFG-01」内プリセット音色の「ギター」を使っています。立ち上がりが強く、音の切れ目がプッツリ切れる「ON、OFFのハッキリした竹を割ったような性格」の音です。一方ファミコン実機から出ていた音は例えて言うなら「アコーディオン」のような音の輪郭。ホワーっとゆっくり立ち上がってますよね。そして次の音との間に明確なスキマがない。全部の音符がレガートでつながっているような感じがします。
この「アコーディオン輪郭」はファミコンBGMの大きな持ち味のひとつなんですが正直に言うと私にはちょっと違和感があるのです。なぜかと言うと聞いている回数が圧倒的にFM音源の方が多いから。キノコさんはファミコンがヘタ!なのでPSGの音に「慣れてない」んですよ。で、同じようにCD「20世紀ファミコン少年」を初めて聞いた時に皆さんが違和感を感じるのではないか、と思ってました。理由は同様で皆さんはファミコン実機の音の方を圧倒的に多く聞いているから。「なんだ?このやたら歯切れいい音は?こんなのファミコン音楽じゃない!」って叱られるかな…と思ってたんですね。音の輪郭…私けっこうこだわっちゃうんですよね…

♪バニラヨーグルトバニラヨーグルトなぜか食べたくなるーな~~~~~
 バニラヨーグルトバニラヨーグルトおいしい秘密があるーな~~~~~
今いちばんお気に入りのCMソングですね。どなたが歌っていらっしゃるんでしょ。ちょっと調子っぱずれな所が妙に心に引っ掛かる(メーカーの思うツボ)。ちなみにキノコさんは甘いモノが苦手でCMを見てもバニラヨーグルトは全然食べたくなりませんけどね。
♪冬は湯ドーフ夏は冷やっこが飲みたくなるーな~~~~~
って感じですね。

CD「20世紀ファミコン少年」を発表してから1ヶ月経ちました。多数の方よりアツいご感想をいただきました。ありがとうございます。発表前まであの音源はごく限られた人(私と一部のハドソン開発スタッフ…sasagawaさんを中心に)しか聞いてなかったもので、それについて語っても誰も共感してくれなかったと思うのですが、今後はこのCDを聞いていただいてることを前提とした記事も少しずつ書いていきたいと思います。
あっ、まだ入手されてない方は遠慮なく私の個人メール宛ご連絡ください。私が元気な限りCDは焼き続けますよ~。♪むぁいにち、むぁいにち、ぶぉくらは鉄板にょ…(by子門真人)って感じで。それと口ベタ、メール下手な方、大歓迎ですよ。「CD聞きたい」の一言で結構ですから。
さてそんなわけで、CD「FAMICOM 20TH ANNIVERSARY ORIGINAL SOUND TRACKS VOL.2」「20世紀ファミコン少年」の同じ曲を聞き比べてみることにしましょう。「チャレンジャー」SCENE1(列車)。調も同じ、テンポもほぼ同じ、曲中の音符もひとつひとつ全部同じです。でも両方のCDを聞き比べると全然感じが違いますよね。どこが違うのでしょう。まず第一にデカい要因として「音源が違う」というのがあります。ファミコンはPSGといってほぼ「矩形波」丸出し。倍音豊富でぶーぶー鳴ってます。一方FM音源の方はこの当時オペレータ(発振器)4基のヤマハSFG-01。倍音少なめ。「清楚」な音がします。しかしこの2曲の違いは音源の違いだけではないのです。お分かりですか?イチバン肝心なこと。一体なんだと思いますか?ちょっと考えてみてください。正解はCMのあとで…

メトロノームってご存知ですか?昔は音楽室に必ずありました。左右に振り子が揺れながら機械的に正確なリズムを刻む…♪|チーン、カチ、カチ、カチ|カチ、カチ、カチ、カチ|チーン、カチ、カチ、カチ|カチ、カチ…最近はもうないのかなー。構造的にはとても原始的なもので
①振り子に付いてる「オモリ」を上下することによってテンポの「速い・遅い」を変える。
②ボディーの側面に「0・2・3・4・6」という切り替えレバーがあって「チーン」という金属音の鳴る間隔を設定する。
というものでした。まあ言ってみれば「自動演奏」の始祖、「リズムマシン」の原型のまた原型…みたいな感じですね。私の小学校時代のピアノ教師はこいつに合わせて「ハノン」を練習させるのが常でして。私はこれが苦痛で仕方なかった。ただでさえ音楽として面白くもなんともない♪|ドミファソラソファミ|レファソラシラソファ|ミソラシドシラソ…っていう機械的な運指の練習なのにさらにテンポにまで縛りをかけるとは…。子供心に自分がロボットになって強制労働させられているような感覚でしたね。で、キノコさん、リズム感が悪くてメトロノームにうまく合わせられなかったんですよ。ズレるたび先生の冷たい視線が…この当時のことがトラウマになっていまだに「ドンカマ」に合わせて演奏するのが苦手なのかもしれません。ヘッドホンでクリック聞きながら演奏しろって言われたらコチコチに硬くなっちゃうんですよ。肩やヒジに変な力みが入ってまともに演奏できない。何より全然楽しくない。『自動演奏を聞くだけ』なら好きだし『人間どうしの合奏』も大好きなんですけど、『自動演奏に合わせて自分も演奏する』のは苦手ジャンルですね…

「忍者ハットリくん」のメインBGM、ご存知でしょうか。一言で言うと「節操ない」曲です。「思いつき」と「勢い」だけで突っ走っているおバカな曲です。作曲者は私一人ではなく「ビゼー菊池俊輔オッフェンバック+(キノコ)」が正しい表記ですよね。私のしたことと言えば古今東西の偉大な曲たちをただ面白おかしく組み合わせてつないだだけです。それぞれの作曲者のファンの方には不愉快な思いをさせてしまっているかと思います…。ごめんなさい。
当時私はただ「小学生にウケる曲」を作りたいことで一杯一杯になっておりまして。自分が小学生の時「天国と地獄」はクラシック曲ではなく単に「文明堂カステラのCM曲」であり「運動会の徒競走のテーマ曲」だと信じていたものですから。子供心に「なんて運動会にピッタリの曲なんだ!」って思ってましたねー。つまり私よりずっと以前にオッフェンバックさんを冒涜していた方(『天国と地獄』を運動会用BGMのテープに落とした先生方)がいっぱいいらっしゃったというワケですね(ボッカ~ン)。また「アルルの女」を使用したのはただ単にメロディーが好きだっただけです。幸いなことに読者の皆さんには概ねこのハットリくんの『メインBGM』は好意的に受け取られているようですがこれは当時24歳だったキノコさんの知能が小学生と同等なレベルであったために起こった偶然なのかもしれません。皆さんの世代でも運動会では『天国と地獄』が流れてましたか?
なおこの「忍者ハットリくん」の『メインBGM』に関してはこちらにオリジナル歌詞付きの大爆笑記事が掲載されています。是非ご覧下さい(管理人さん了承済)。ハットリくんが水平方向に2メートルくらいしか幅跳びできない、などの分析も面白いですよ。

三宅裕司の「イカすバンド天国」。『イカ天』の愛称でおなじみですよね。キノコさんのバンド『星観る人』実はイカ天に出たんですよ。1990年11月の放送でした。15年くらい前ですね。読者の皆さんは当時、中高生くらいだった方が多いのではないでしょうか。審査員の一人にステキな女性振付師、南 流石(みなみさすが)さんが来ていました。
三宅 裕司「南さんどうですか?」
南 流石「えっと私、あの…音楽わかんなくて、変な事言うかもしれないんですけど。(眉にシワがよる)こういう風にあの…途中で展開が変わる??…ナンかわかんないけど(ますます眉間のシワが深くなる)」
森 雪之丞「変拍子?」「あそうだ変拍子。こういうの好きなんですよ、ワタシ。(笑顔)」(審査員一同:笑)
相原 勇「ちっともヘンじゃないじゃないですか」
三宅「こういう風に眉毛にシワがよってたので『こういうのは苦手です』って言うのかと思ったら」
南「ナンかドラマチックな感じがしてねー。こういうの好きなんですよ。ワタシ、実は。」「変拍子って振り付けしにくいですよね?」「いや変拍子で振り付けするのが、好きなんですよ。」「リズムにノるのが難しいんじゃないんですか?」「リズムが…先が読めないリズムで踊るのが好きなんですよ。(笑顔)」(審査員一同:へえぇ~)
客観的に考えるとその時演奏した『百鬼夜行』というオリジナルは確かに変拍子バリバリの曲でした。でも言い訳じゃないけど演奏していた本人の私は「フツーにノれてた」わけですよ。私は「変拍子にしてやろう」と企んで作曲したことはなく 変拍子=『自然に変化した拍子』」と考えていました。その辺の話は深いのでまた改めて…
というわけで残念ながら1週も勝ち抜けなかった「星観る人」でしたが『流石で賞』をいただきまして、ちっちゃなトロフィーを囲みながら楽しいお酒を飲ませていただいたのでした。

トリノ・オリンピックが始まりました。感激屋のキノコさん、開会式を見てて2度泣きました。1度目は5つのデッカイ鉄の輪が水平状態から垂直に持ち上がり、五輪のマークになったところ。「ウッウッ…」ここでメソメソしだしたキノコさん、この直後光が縦横に走り5つの輪に色が付き始めたところでたまらず「え~ん」。あれは反則ですよ。何なんですか、あのもったいぶった演出は!2度目は聖火点灯の瞬間。なんですか、あのネズミ花火みたいなドミノ倒しみたいな劇的な演出は!「おえっおえっヒック」もう号泣ですよ。
私と同じところで泣いた人、もしいたら是非連絡ください。一生のアホ友達になれそうです。でもおそらくあまりいないでしょう。キノコさん、必要以上にバカみたいに『共同作業の成果』に感動するタチなんですよ。しかも自分の勝手な想像を加味して。上記の2シーン、ものすごい労力がかかってますよね。企画、設計、製作、演出、音楽、美術、衣装…さらには毎日のお弁当をスタッフに届けた仕出し屋さん(イタリアにも仕出し屋さんはいるのか?)、交通費を計算した事務のおネーさん、あの映像を最終的に決定した調整室のカメラ・スイッチャー…で、私のオツムの中にはそういた何千人もの裏方の人々の苦労とあの成功した瞬間の『やった!』という快哉が押し寄せてくるんですよ。乾杯…握手…抱擁…そして涙…。トリノに行って現場見たわけじゃないんですけどね。単なる想像、というか妄想に近いですよね。ただそういうシーンが3、4秒の間にブワーッと頭を駆け巡って気がついたらいつの間にか泣いている…と。おメデタイ人キノコさん。でも『共同作業』って本当にいいですよね。そしてオリンピックは素直に大好きです。

「スターソルジャー」のタイトルBGM。ファミコンカセットを本体にさしこんで電源ONすると真っ先に流れるあの♪チャリラリラリラリ…っていう5秒くらいの短い曲ですよ。あの曲ほんのちょっとだけエコーがかかってるように聞こえませんか?CD「20世紀ファミコン少年」の方は元のカセットテープの方に全曲ディレイをかけっ放しで録音してしまったため、よく判らなくなっちゃってますがファミコン実機またはCD「FAMICOM 20TH ANNIVERSARY ORIGINAL SOUND TRACKS VOL.2」で聞いていただけるとこの#57「タイトルBGM」と#62「ステージクリア」の後半にだけエコーがかかってるように聞こえると思います。で、ファミコンにはもちろんエコーなんて内臓されてません。ではどうやってエコー効果を出していたかというと「第1パートと第2パートで全く同じフレーズを入力し時間をずらして演奏させて」いたんですね。で、この時ちょっとコツがあるんですよ。 ①ずらす時間は最短音符の1.5倍 ②第2パートの音量を小さめに鳴らす。①はとても重要で主旋律が16分音符なら『付点16分休符(16分休符+32分休符)』分遅らせて第2パートを演奏させる、ということです。これが例えばぴったり16分休符とか8分休符遅れて演奏させるとエコー効果は全く出ず、逆にただ単に汚い2和音として聞こえてしまいます。この『付点16分休符』分遅らせて演奏させる、という所がまさに自動演奏の醍醐味で『人間技』では不可能な演奏なのです。 
思い起こせば当時の私にとって「ヤマハ・ミュージックコンポーザ」は本当に楽しいオモチャであり『音楽実験道具』でありました。ディレイ効果を探るだけでも遅らせる時間を1.25拍、1.33拍、1.66拍、1.75拍…と試していったりディレイ音をオクターブ上げたり下げてみたり。PLAYボタンを押すたびに「生まれて初めて聞く」音が鳴るんですからそりゃ面白いわけですよ。ただそれらの実験のほとんどは「使えない」結果でしたけどね…

『月の光』/冨田 勲…1974年作品です。キノコさん12歳、小6。手に入れたばかりのラジカセでNHK・FMの『サウンド・オブ・ポップス』をエア・チェックしてはため息ついてました。
Photo_4「なんだろう。この聞いたことない不思議な音は…」
『電子音』っていわれても『シンセサイザー』っていわれても…全く見当もつかない。身近な電子音といえば当時は電子オルガンくらいでしたから。
とにかくシンセサイザーの「絵」が浮かばない。
そんなある日新聞に冨田さんのインタビュー記事が掲載されました。写真も載っていました。どれどれ?冨田さんの背後にシンセサイザーらしきモノが映っています。んっ?「なんだ?このタンスのオバケは!」
キノコさんビックリしたと同時に写真を穴が開くほど見つめました。タンスには無数のツマミとケーブルを差し込むジャックがついています。まさに「21世紀・未来の楽器」がそこにあったのです。冨田さんはインタビューの中でこう仰っていました。「ピアノ曲を聞いてる時にはピアノの絵が、バイオリン協奏曲を聞いている時にはバイオリンの絵が頭に浮かびますでしょ?でもシンセサイザーで作る音楽には『奏者の姿がない』のです。曲を聞きながら何を思い浮かべていただいても自由なのです。」そうなのです。私が冨田さんの曲を聞く時私の頭の中には音色によって何種類かの『妖精』が登場してくるのです。お茶目ないたずらっ子、物知りの長老、全てを抱擁する母、理路整然として厳格な父、クールな吟遊詩人、そして3枚目のポンコツロボット…なんてステキな世界なんでしょう。電子音に魂をふきこんだ冨田さん。私は冨田さんから「音に愛情をこめること」と「ユーモアの大切さ」を学ばせていただきました。ちなみにNHK『きょうの料理』のテーマ音楽、冨田さん作曲ですよ。もう50年近くずーっと同じテーマ曲だそうです。スゴいことですね。冨田さん、今年74歳。いつまでもお元気でいてください。