11)計画道路のある敷地 | 木の家散歩

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木の家の設計監理経験豊かな建築家・山中文彦と木材産地、職人技術者のネットワークにより、夢の木の家を造る「木の家づくりネットワーク」のブログです。自然素材を活用し、家族と環境に優しい、本物の木の家をCM型施工管理システムによるリーズナブルコストで実現します。

何人かの敷地を探していらっしゃる方からご相談を受け賜っています。


その中でも今住んでいらっしゃるマンションのシックハウスと日照不足に悩んでおられる方がいらっしゃいます。


特にこの夏の猛暑で室内の建材からの揮発性有機化合物(ホルムアルデヒドや塗料の溶剤のトルエン、キシレンなど)の放散により、特に奥さまとお子様の目の痛み、腰の違和感、倦怠感が問題となり、土地を買って小さくとも自然素材の木の家に住みたいという想いが強くなったそうです。


「その家で暮らしているとなぜか楽しい気持ちになる。家族が元気で活躍できる元となる家が出来たらどんなにかいいだろう」という奥さまの願い、家族への愛を実現するために出来るだけのお手伝いをすることになりました。


ご主人の通勤の兼ね合い、奥さまの地域への愛着、小さくてもいいので庭先農地ができるか近くに貸農園などがあるなどの条件からいくつかの敷地を検討しました。


交通、環境、価格、徒歩で行ける商店街などの商業移設の立地などのさまざまな検討を行い、実際に家族で敷地を見て可能性のある敷地を調査して、打ち合わせを行ってきましたが、なかなか見つからないままに新年を迎えました。


そんな中、不動産業者からの説明を受け、見学した二つの敷地の検討をさらに進めたいということで、敷地を調査しました。


比較評価するなかでそのうちの一つが総合的に良いということで、早速に申し込みを行いました。


すると、不動産仲介業者の担当者から計画道路(都市計画による将来の道路築造計画)があることを告げられたそうです。


家に使った木がまた植えられて、それが育つまではメンテナンスをしながら使い続けることができる木の家という木の家づくりネットワークの基本理念にご賛同頂いている方ですので、計画道路がたとえ30年先であっても受け入れることができない条件です。


もちろん、我が家が先々なくなってしまうことを前提に木の家を一生懸命建てる気持ちにはなりませんね。


奥さまも清水の舞台から飛び降りる気持ちで申し込んだにも係らずに、ジェットコースターに乗ったような気持ちになりましたとの率直な気持ちをため息混じりにお話しされました。


ここで問題になるのは不動産仲介業者の説明責任です。


条件説明のチラシのも、口頭での説明も行われずに申し込み段階になって初めて説明することは、事前の説明責任を果たしていないと思われます。


価格交渉にも比較的気軽に応じてくれた理由はそこにあるのかと後で合点がいくのも仲介する側の交渉術の中にあるのだとしたら、一般の方は仲介業者の何を頼りに土地を探せばよいのかという問題です。


開発する側も計画道路を組み込んで、売ってしまえばよいという安易な姿勢が垣間見えます。


どうせ、20年もすれば家は古くなるし、その時は小さくしてでも建て替えればよいでしょうという考えですか。


以前に比べてネットなどもあり不動産用語の内容の理解が一般の方にも広がりつつある現在では、重要事項の説明を契約直前に行うという一方的な説明責任ではなく、重要事項の中のさらに基本となる基本情報の説明責任というものでもルール化すべきではないでしょうか。


その程度の説明であれば30分もかからずに可能なはずです。


奥様とは、これももっと良い土地との出会いのための露払いのようなものですねと、

次の土地との出会いに期待しながら、再スタートを切りました。


私もまさかそのような重要なことを最初に説明しないとは夢にも思いませんでしたがこれからは気をつけるように戒めました。


土地を探して家を建てることは、土地に家を建てて建売や建築条件付きで販売してr利益を出す仕組みの不動産業界と売主の力が強い現在では簡単ではないですが、あきらめずにがんばりましょう。


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