よくジムで見る光景で、???と思わせられる事の多いベントオーバーロウ。

 

 

と言う事で、偉そうに一言。

 

まずよく見るのがこういうスタートポジション。スクワットして膝が前に出て、上半身はあまり前傾していない状態。

  

 

まず第一に、膝が前に出る事によってバーの位置が肩より前にきたボトムポジションでは、広背筋の緊張を保ちにくくなります。広背筋の作用はバーを体に押し付ける事なので、これでは苦労しなくてもバーが脚から離れる事は無くなり、仕事量も減ってしまいます。

 

膝が曲がりすぎる事で、バーを斜め方向に引きすぎる事になるので、当然実際に引いてる重さも軽くなってしまいます。バーは重力に対して垂直にしか動かないわけですからね。可能な限りバーが垂直に動けるようにポジションを取るほうが効果的

 

これに加えて可動域も狭すぎ。背中のトレーニングにおいて肩甲骨の動きはとても大事な部分であり、このポジションならあまりストレッチがかからないので収縮を感じ取るには結構いいと思います。しかしトレーニングにおいては、収縮だけでなくストレッチの部分もとても大事。スタートの位置がこんなに高いと、動いてる距離も20~30cm程度なので刺激もイマイチ。僧帽筋中部鍛えるだけなら良いのかも。

 

でもこれで発達してる人を見たことはありません。軽かろうが重かろうが、背中の発達が凄い人は肩甲骨がガバガバ動きまくってます。180kgくらいの高重量になったら、当然可動域は狭くなるので、怪我のリスクを避けるために、このくらいの動きになったり、重さに負けないように多少なりともスクワット気味になるのは仕方の無い部分であるという理由づけもできるでしょう。

 

でも、これを60kg程度で行っている人が多過ぎるんですよ。対して重くないのに可動域まで狭かったら発達は期待できません。

 

多分これを行っている人は、上半身の前傾角度は45度とか60度程度とかって言われたんでしょう。でも腕の短い日本人がそれをすると、スタートの位置が膝上程度になっちゃって可動域狭すぎるんですわ。欧米人が45度くらいになると、スタートの位置は膝下くらいまでバーベルを持って来てくれる人が多いので、当然それくらいの位置から引けば可動域は雲泥の差が出ますよね。

 

加えて前傾が強ければ強いほど、肩はバーより前に来やすくなるので、バーを身体に添わせる為に広背筋が常に働いていなければ腰を怪我してしまいます。結果として筋肉に刺激が入ってる時間も量も長くなるので、発達して強くなれるって事ですね。

  

 

 

参考動画として、私個人の目標はこれ

 

 

明らかに可動域が違いますよね。特に最高なのが、終わった後に「こりゃ重たかった」って言う所w この重量なら、そのセリフを吐く資格がありますわw

 

もしこのポジションが取れないのであれば、根本的に姿勢を支える為の股関節の柔軟性や背面の筋肉の筋力と持久力という部分が足りてないので、ベントオーバーロウを行う資格が無いって事だと思います。そういう人はルーマニアンデッドで土台を作り上げて、広背筋の為にはマシーンやダンベルロウを組み合わせた方が効果的なんじゃないでしょうか? ダンベルロウであれば、おもいっきりストレッチかけても怪我のリスクはすくなめ。それで10セットずつくらい行えば間違いなく背中も発達してくれるでしょう。背中は持久力が強いので、全体的なボリュームが多いほうが反応しやすい人が多いです。胸と同じ程度の刺激じゃ全然発達しないですよ。

 

バーを膝下まで持ってくると、バーが膝にあたってやりにくいという意見もあるでしょうが、それはその人のポジション取りが悪いだけです。尻を引いて股関節から進展させてたら殆ど膝になんか当たらないはずですよ。引く瞬間に膝の伸展を上手く使って、バーが当たらないようにして、その加速をバーに伝えてフルレンジで引くようにする。

 

バーベルは重力に対して垂直にしか動かないのが物理法則なわけですから、膝曲げすぎて引いてたら時間の無駄でしょう。そう考えたら、ベントオーバーロウは結構難しい種目で、このロニーの技術は超高等技術です。しかも495Lbsでこの可動域とスピード。。

引くときに多少上半身を動かして反動を使っている部分もありますが、注目すべきはそこよりも、膝の伸展を絶妙に使って、脚の力をきちんとバーに伝えている点です。しかもバーが身体から離れないために膝伸ばしたらまたきちんと少し曲げてバーが脚から離れないようにコントロールしている点。。反動で立てた上半身も引ききる瞬間に前傾してスタートのポジションになるようにコントロールして収縮も最大限にゲット。

これを我々が真似して行うと上半身を振り回すだけになってしまいます。

 

もともと昔は、上半身が地面と平行になるくらいの状態から引くのが始まりだったんです。でもそれだと腰にかかる負担も大きすぎたから、だんだんと上半身を立てるようになってきたのでしょう。昔のように引いて一回一回地面に重りを置くのは今じゃPendlay Rowなんて言われてます。

 

 

無駄なエゴは捨ててフルレンジで。