Each Kinky Things -3ページ目

All Day And All Of The Night

19曲目:All Day And All Of The Night
作曲者:R. Davies 時間:2分23秒
キー:G

 64年10月23日発売の4枚目のシングルで、全英3位まで上がりました。
 ハッキリYou Really Got Meの二匹目のドジョウを狙った曲ですが、その域を超えていたんですね。うまく言えないけど、「同じだけど全然違う」。両方を知っている人にはニュアンスがご理解いただけると思います。

 それにしても、やっぱり音楽はセンスです。この曲なんて、歌メロのテーマ部分の音階たったの3つですからね。それでもこれだけの楽曲って書けるんですよ。
 歌詞も私の好きな“シンプルなラブソング”。「君と一緒にいたい」という気持ちは誰でも持つものです。特につきあい始めた頃は(笑)。
 たったそれだけの当たり前の感情も、詩人の手にかかるといろんな角度からの言葉になり、それだけで名曲が1曲できちゃうんですね。
 またその言葉が演奏ともメロディともバッチリ合ってる。言葉のリズムとリフ=コード進行=歌メロの組み合わせ一発の名曲です。たぶん発売後は全ライブで演奏されてんじゃないかな。

 ご存知の方も多いと思いますが、この曲を(意識的か無意識にかはわかりませんが)パクッちゃったのがドアーズの「Hello, I Love You」です。もうまるっきり一緒。そこでレイ先生がどう反撃したかはアルバム「Give The People What They Want」の解説をお待ちください。81年発売なので、このペースだと1年半くらい後ですけど(笑)。

It's Alright

18曲目:It's Alright
作曲者:R. Davies 時間:3分37秒
キー:G

 You Really Got MeのB面です。何と邦題は「それでいいのさ」。訳す必要があんのかよ、という気がいたしますが。
 それはいいとして、これはけっこういける曲ですね。
 まずボーカルとリフの絡み。こういう歌メロが休符だったり長音だったりする部分をリフが埋めて、掛け合いのように進んでいくのが個人的に好きです。鼻歌の時もリフのメロディ込みで歌う感じ(笑)。
 ブレイクからバンド全体で息を合わせてブリッジに行く所なんかも、ライブだったらかけ声を上げたくなります。
 初期の若い演奏と相まって、初期ベスト盤を自分で作ったら絶対入ります。

You Do Something To Me

17曲目:You Do Something To Me
作曲者:R. Davies 時間:2分24秒
キー:F

 2枚目のシングルYou Still Want MeのB面です。
 やっぱりその他大勢っぽい曲ではありますが、A面よりはいいかな。マイナーコードの唐突な使い方が青春ポップスっぽいですね。
 当時のマネージャーのラリー・ペイジは、「売れる曲はYouで始まってMeで終わるタイトル」という哲学を持っていたようで、このシングルは両面とも“You & Meソング”です。
 つまりはそういう方針に従って作られた曲と言うことでしょう。
 本当にヒットした「You Really Got Me」も“You & Meソング”なのが面白いです。

You Still Want Me

16曲目:You Still Want Me
作曲者:R. Davies 時間:2分59秒
キー:E

 64年4月17日発売の、キンクスの2枚目のシングルですが、まあ、どうでもいい曲です(笑)。一生懸命売れ線を狙ったのでしょうが、そのせいで特徴がなくなってしまい、60年代にその辺に転がってたありきたりのビートバンド、という印象です。もしこのシングルの次が「You Really Got Me」でなければ、恐らくそのままその他大勢バンドで終わったことでしょう。レイの頑固さに救われましたが、中には才能がありながらヒットが出せずに消えていったバンドもたくさんあったんでしょうね……。
 ちなみに当時売れた枚数は、何と127枚。127枚ですよ! スタジオ代すら回収できなかったでしょうね。
 レイ自身も気に入ってないどころか、この曲が売れなかったことで今後歌わずに済む安堵と、売れなかった落胆が相半ばしたとのこと。

Long Tall Sally

15曲目:Long Tall Sally
作曲者:Johnson/Penniman/Blackwell 時間:2分12秒
キー:A

 キンクスのデビューシングルにして、唯一ビートルズと共通でレコーディングされた曲です。
 64年2月7日にリリースされ、チャートには入りませんでした。そりゃそうでしょうね。聴けばわかりますけど、明らかにやる気がないですから。
 バンドはありきたりのリフを延々と演奏し、レイのボーカルは棒読みっぽく力がありません。売れるわけねえじゃん、と言いたいです(笑)。
 が、不思議なもので何度も聴いているうちに妙な味わいが感じられるようになる……んですが、恐らく私の錯覚でしょう。

 どうもビートルズがこの曲をヨーロッパツアーでやったのをラジオで聴いたマネージャーのラリー・ペイジが、「絶対売れるから」と強引にレコーディングさせたようです。
 売れませんでした(笑)。

Got Love If You Want It

14曲目:Got Love If You Want It
作曲者:Moore 時間:4分46秒
キー:G

 You Really Got Meの登場前は、この曲がライブでのハイライトだったそうです。こういうところからも、ごく初期においてはキンクスもR&Bバンドだったんだなと。それでもああなっていくんですから、わからないものです。
 おとなしめに始まって、音数も少なくブルースの12小節進行で展開していきます。音数が少ない割に、エコーの量のためかあまり空間を感じさせません。しかしリフのギター、ずっと弾き続けるのたいへんだろうな、いろんな意味で。
 これがラスト1分でドカーンと爆発します。ザ・フーの「My Generation」を彷彿とさせますが、こっちの方が先です。キース・ムーンが真似たのか、当時こういうドラミングがはやっていたのかはわかりませんが。
 ヤードバーズもこの曲をライブでやってますが、俺はキンクスの方が好き。ヤードバーズ版も悪くはないんですが、案外そつなくまとまっちゃってて、面白味に欠けます。
 レイ先生の歌はどこか頼りないんですが(笑)、バンド全体でバランスが取れてて、キンクス世界の妙な深みが出ています。

Stop Your Sobbing

13曲目:Stop Your Sobbing
作曲者:R. Davies 時間:2分06秒
キー:G

 プリテンダーズのカバーで知った人も多いのではないでしょうか。
 個人的には、2回目の来日(93年)の時に初めてキンクスを見に行ったんですが、その時に演奏していたので印象深い曲です。
 シンプルなリズムにシンプルなアレンジ、シンプルな歌唱、シンプルな歌詞。
 歌詞は何というかキュートです。全体を通して言ってることはただひとつ、「泣くのをやめろ」ですからね。
 そのシンプルさの中で、メロディがほんのわずかに外しているのがミソ。その後のキンクスを暗示しているようで、実はこの曲と似た曲を探すのは困難です。
 いい曲です。

I've Been Driving On Bald Mountain

12曲目:I've Been Driving On Bald Mountain
作曲者:Talmy 時間:2分01秒
キー:G

 弟デイブがボーカルです。あ、他の曲も歌ってますよ。書かなかっただけで。
 これもシェル・タルミーが古い曲をせこく自分名義で登録して印税を稼ぐ手口に使われている曲です。
 楽曲としては……まあ、悪くない程度です。
 ただしレコーディング・メンバーが何気に凄くて、ジミー・ペイジ大先生が12弦ギター、ジョン・ロードがハモンドを弾いています。キンクス+ツェッペリン+パープルですよ(笑)。

Too Much Monkey Business

11曲目:Too Much Monkey Business
作曲者:Berry 時間:2分16秒
キー:C

 こうして歌詞をしげしげと読むと、「Satisfaction」のアイデア源かな、という気がしますね。
 私の知っている限り、「笑福亭鶴光のオールナイト・ニッポン」でかかった、唯一のチャック・ベリー・ソングです。「army clothes, army car」のところが「おめ○、お○こ」に聞こえるというネタの材料として出ただけですけど。
 歌詞に横浜が出てきます。チャック・ベリーのファンが最初に覚える日本の地名でしょうねえ(笑)。
 この曲については、オリジナルの方がいいなあ。ちょっとキンクス版はリズムがタイトかつ前のめりで性急な感じがいいんだけど、ちょっと軽い。その軽さが生きる曲じゃない気がします。

Revenge

10曲目:Revenge
作曲者:R. Davies/Page 時間:1分29秒
キー:G

 ♪ちゃーちゃーかちゃちゃーっちゃちゃーちゃーかちゃちゃーっちゃというリフに、レイがハーモニカをダビングしただけのインストゥルメンタル曲なんですけど、けっこうクセになります。試しに5回くらい聴いてみてください。恐らく1週間くらいは頭で鳴りますよ。
 作曲者はPageといっても、ジミー・ペイジじゃないですからね。ラリー・ペイジです、マネージャーの。もっとも、こういうバンドでノリ一発みたいな曲の作曲にマネージャーが関わるというのもよくわかりませんけど。
 後にあの「Ready Steady Go!」のテーマ曲に採用されています。
 で、こういうインストにつけたタイトルがいいですね。何となく、その後のキンクスを彷彿とさせます(笑)。