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「課題(かだい)の分離(ぶんり)」ってご存知ですか?
「課題の分離」とは、一言でいうと、 「これは誰が考えるべき課題なのか?」という視点から、自分の課題と他者の課題を分離していくことを指します。
「馬を水辺に連れていくことはできるが、水を飲ませることはできない」という諺があります。
これは、水辺まで連れていくのは自分の課題であっても、実際に水を飲むかは相手が決めることであり、自分が干渉することではない、ということを意味しています。
まさに課題の分離です。
相手がどうするかは、相手が決めることだという意味です。
そして、自分の課題と他者の課題を分離しようとしたら、その間に線引きをする必要がありますよね。
線引きの方法
線引きの方法は、シンプルです。
最終的な責任を負うのは誰か⁉️
親が子供の将来を思って勉強させようとしても、子供が頑張ってくれない。
この例に「課題の分離」を当てはめてみましょう。線引きの基準は、「その課題について最終的な責任を負うのは誰か?」でしたね。
子供が勉強しなかった結果、最終的な責任を負うのは誰でしょうか?
子供自身です。
なので、親は「勉強するかどうか」という子供の課題に干渉してはいけません。
もし子供が勉強を怠った結果受験に失敗し、最終的にニートになったとしても、それは子供が負うべき責任であり、親が強制的になんとかしようとしてはいけないのです。
なぜ他者の課題に干渉してはいけないのか
なぜ他者の課題に干渉してはいけないのか、説明していきます。
親は、子供のためにと思って、高額な学習塾に通わせたり、偏差値の高い学校や給料のいい会社に入るよう、うるさく言います。
できる限りのことをしてあげるのが、親というものだと思いますし、それ自体は愛情からくる行動なのでしょう。
しかし、一度、子供の立場に立って考えてみましょう。
頼んでもいないのに、一方的に塾に行かされたり、進路を決められる。自発的に何かやりたいと思っても、そんなことはしなくていいから勉強をしなさい、と言われる。
親が決めた「あるべき姿」を押しつけられるうちに、子供はこう思うようになるでしょう。
「自分は親に信頼されていないんだな」
そして、親がなんとかしてくれるなら、自分で考えて決断しなくてもいいや、というライフスタイル(世界観)を持ってしまうでしょう。
結果的に、「親の期待」を満たすためだけに生きるという、不自由な人生を選択してしまい、精神的自立からも遠ざかってしまいます。
尊敬なきところに愛は育まれない、のです。
子供の課題に土足で踏み込んではならない。そして、「こちらにはいつでもあなたを援助する気持ちがあるよ」というシグナルを発し続ける。そのとき、子供は大きな勇気を得て、一歩を踏み出す
あらゆる対人関係のトラブルは、他者の課題に土足で踏み込むことによって引き起こされるのです。
距離の近い家族や友人だからこそ、もっと意識的に課題を分離していく必要があります。
自分の課題と相手の課題の間に線引きをしないまま、自分の希望を押しつけると、相手は苦痛を感じ、その関係は破綻に向かっていくことになります。
課題を分離をしなければ、いつまでも周りの目を気にし、他者の期待や承認欲求に縛られたまま生きていくことになります。
「課題の分離」は、冷たい関係ではなく、涼しい関係なのです。
人間関係の悩みから解放されるためには、『課題の分離』をする必要がある。
また、自分の課題と他者の課題を線引きする基準は、「その課題について最終的な責任を負うのは誰か?」でした。
他者の課題を切り捨て、自らの課題に集中する。そして、相手から援助を求められた時は、できる限りのことをする。
考え方としては、理想的だと思います。
ところが、頭ではわかっても、実際に課題の分離するのは難しいです。
特に、不遇な家庭環境で育った人は、他者を信頼することができず、依存的なライフスタイル(世界観)を抱く傾向があるので、課題の分離がなかなかできません。
人の目が気になってしょうがない
簡単にいうと、人の目が気になってしょうがないのです。
周りの目がとにかく気になり、人に合わせてしまう。結果、うまく素直になれず、人間関係に疲弊し、いつしか人を避けるようになる。
合わせる→疲れる→合わせる→疲れる…と繰り返していくうちに、人と深い関係を築くのを恐れるようになる。
しかし、課題の分離はその逆です。周りの目を気にせず、自らの本心に従うという考え方です。
なので、周りに合わせてきた人からすると、課題の分離は痛みを伴います。
「本心を言ったら、嫌われるかもしれない…」
「自分の周りから人が離れていくのが怖い…」
しかし、「勇気」を持ってその不安を乗り越えれば、深い信頼に基づいた人間関係を築くことができる
「家庭環境」でも「才能」でもなく、『勇気を持てるかどうか』で人は変わることができるのです。
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