ハードボイルド・ミステリとの出会い。 | 『Go ahead,Make my day ! 』

『Go ahead,Make my day ! 』

【オリジナルのハードボイルド小説(?)と創作に関する無駄口。ときどき音楽についても】

えー、しばらく更新をサボってたら、着実にランキング落下しております(泣)

別のところでブログをやっている家人から「何でもいいから更新してないと誰も来てくれなくなるよ」と脅かされたので、何か書くことにします(←いいのか、そんな姿勢で?)


わたしのハードボイルド・ミステリとの出会いは、おそらく他の同好の志とは大幅に違っていると思います。というのも、当初はミステリを読むつもりなど全くなかったからです。


わたしの読書遍歴といえば、小学生時代の児童文学から始まって、中学生のほんの一時期、図書館にあったシャーロック・ホームズなんぞを読んできた事もありますが、概ね、自宅にある親や姉の買ってきた本を読む、といった感じで、自分の明確な読書傾向はありませんでした。もっとも、書店に行けば立ち読みで一日潰せるという(これは今でもそう)本屋さんからすると甚だ迷惑なガキではありましたが。このころ一生懸命読みふけったのは小説ではなく、図書館に全巻揃っていた「サザエさん」でした。

そんなこんなで中学を卒業し、あんまり真面目に勉強してるヤツのいない割にはのんびりした高校に入り、そういう学校ではよくあることですが図書館がタマリ場になって、何とはなしに本を読むようになりますが、このころ何を読んでいたかはよく覚えていません。ま、その程度の浅い読書だったということでしょうか。そんなわたしに、悪友の持ってきた一冊の本(小説に非ず)がとんでもない衝撃と、それから数年のオタクへの転落人生をもたらすこととなります。

それはゲームブック。

わたしと同年代の方なら記憶の片隅にあるかもしれませんが、番号の振られたパラグラフ(段落)に各場面のストーリーがあって、その段落の末尾にある選択肢で次のパラグラフへ進んでいくというやつです。とりあえずコレにはまりました(今回、調べて分かったのですが、あの創元推理文庫からもゲームブックの最高傑作と言われた「ソーサリー」シリーズが発刊されていて、ちょっとビックリ)


ちょっと長くなってきましたが、オタクのたわ言にもうちょっとだけお付き合いを。


ゲームブックがその成り立ちをテーブルトークRPG (ドラクエだのFFだのの基になったと一応言われている遊び、説明すると長くなるので興味のある方は自分でググってね)に求めているせいで、読書傾向も一気にファンタジー・ノヴェルへ。実はこのころ、あの「ロード・オブ・ザ・リング」の原作に挑んで見事に撃沈されています。最近はハリーポッターのおかげでかなり評価されているファンタジー業界ですが、当時はオタクの極北にある分野(特に国産は)で、そりゃあ、白眼視されたものです。ちなみに最近は国産のファンタジーやらSFもどきをライト・ノヴェルといって、それはそれなりに評価されているみたいです。ヨイジダイニナッタモノダ…。

で、いよいよ核心へ。そうやってテーブルトークRPGで遊んでいる中で、またしても悪友が一つのゲームを持ってきます。それが「クトゥルフの呼び声」という一風変わった代物で、これはアメリカの怪奇作家H・P・ラブクラフトの著作を基に後続の作家たちが作ったクトゥルフ神話シリーズ(これに影響を受けている作家は日本にも数多い)という作品群を題材にしたゲームなのですが、こいつの舞台がアメリカ合衆国マサチューセッツ州ボストンとその近郊、いわゆるニュー・イングランドと言われる所でして、基本的にでっち上げのファンタジーならいざ知らず、そこがたとえゲームの舞台だとしても実在の土地ならそこがどんなところなのか知りたいと思い、資料を探し始めたところで、わたしは再び衝撃の出会いを果たすわけです。

それがボストンを舞台にしたロバート・B・パーカーの「探偵スペンサー」シリーズ。

最初は「スペンサーのボストン」というハードカバーのボストン・ガイドブック(もちろん作中の)で、これは味のあるイラストと小説からの抜粋で構成されたなかなかのものでした。それでパーカーの文体(訳者の菊池光氏の文体でもあるのですが)に引かれ、文庫本(忘れもしませんがシリーズ第2作「失投」)を手に取り、あっという間に手に入る文庫を買い揃えて、わたしはゲームオタクからハードボイルドオタクへと華麗なる(?)変身を遂げて現在に至るのです。


自分で書いてて「何だかなぁ…」と思わなくもないのですが、世の本好きの方とはかなり毛色の違うヘンなヤツもいるということで、笑ってやってくださいな。