ぜんぶマルっと一刀両断する陰謀論は
判断力に自信がない人をターゲットにしている。
自分で考える必要もなければ
複雑なことを理解する必要もなく
それが魅力となる。
陰と陽
光と闇
二極化
単純化した説明で仮想敵をつくり複雑なことに白黒つける。
有能で誠実な人たちは
そんな単純化した説明をしない。
この場合とあの場合は
こことここは同じだけど
あそことあそこは違う
という、歯切れのわるい説明になってしまう。世の中は思った以上に広く
そして複雑に絡み合っている。
それを受け入れないと
陰謀論ビジネスのターゲットになる。
さて今日は陰謀論に関わる
心理的メカニズムのお話だ。
だれかがそれを
「一発逆転の魅力」
といった。
学業で落ちこぼれた
社会生活で先を越された
自分はダメな人間だ
そんなふうに落ち込んでいた人が
「彼ら＝優秀な人たち」相手に
一発逆転ホームランを打ち
気分よくなれるチャンスだ。
なぜかというと
陰謀論によれば
優秀な彼らは騙されていて優秀な彼らは悪の手先に成り下がり自分が不当な扱いを受けたのは「この世にはびこる悪」のせいで逆に世界の秘密を知っている自分は優秀な彼らよりも優れている
と思えるから。
簡単に言い換えれば
自己否定→被害者意識
→真実（陰謀）を知る優越感
となる。
そして人によってはそこに
選民意識も紛れ込む。
自己否定がひどく
藁をもつかむ思いで
それをつかんでしまう
というのもわかる。
でも、このメカニズムを知って
そんな陰謀論から足を洗うほうがいい。
なぜそうなのか、続く。
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