大リーグでの本塁打数はあてにならない | 女装男子かなこのブログ

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巨人の新外国人、ルーグネット・オドーア選手が開幕前に退団しました。


阿部慎之助監督は、オープン戦で打率.176(34打数6安打)、本塁打・打点ともになしという成績に終わったオドーア選手に二軍調整を伝えたが、本人はそれを拒んで退団を申し出ました。


アメリカ大リーグ通算178本塁打、シーズン30本塁打3回のバリバリのメジャーリーガーだけに二軍落ちはプライドが許さなかったのでしょう。


オドーア選手は巨人を退団後、4月5日(日本時間6日)にニューヨーク・ヤンキースとマイナー契約を結び、3年ぶりに古巣に復帰しました。


7月1日までにメジャー昇格できなければ契約を破棄できるオプトアウト条項付きです。


実のところ、「メジャー通算100本塁打超のスラッガー」的な触れ込みで日本プロ野球(NPB)に入団した外国人選手で、それに見合う成績を残した選手はごくわずかしかいません。


大リーグ(MLB)での実績は、NPBでは参考程度にしかなりません。


NPBで活躍した外国人打者は700人を超えます。


日本プロ野球でプレーした「MLBでの本塁打数ベスト15」選手の「日本での本塁打数」は以下の通りです。


なお、NPBからMLBに復帰して以降の本塁打は含めません。


アンドリュー・ジョーンズ(楽天)右打ち

【MLB】434本 【NPB】50本(281試合)

ハワード(太平洋)右打ち

【MLB】382本 【NPB】0本(1試合) 

スミス(巨人)両打ち

【MLB】314本 【NPB】45本(186試合) 

アダム・ジョーンズ(オリックス)右打ち

【MLB】282本 【NPB】16本(159試合)

パリッシュ(ヤクルト~阪神)右打ち

【MLB】256本 【NPB】70本(235試合) 

ドビー(中日)左打ち

【MLB】253本 【NPB】10本(72試合) 

バーフィールド(巨人)右打ち

【MLB】241本 【NPB】26本(104試合) 

デシンセイ(ヤクルト)右打ち

【MLB】237本 【NPB】19本(84試合) 

オグリビー(近鉄)左打ち

【MLB】235本 【NPB】46本(224試合) 

スチュアート(大洋)右打ち

【MLB】227本 【NPB】49本(208試合) 

ディアー(阪神)右打ち

【MLB】226本 【NPB】8本(70試合) 

バティスタ(ソフトバンク)右打ち

【MLB】221本 【NPB】27本(135試合) 

ミッチェル(ダイエー)右打ち

【MLB】220本 【NPB】8本(37試合) 

ペピトーン(ヤクルト)左打ち

【MLB】219本 【NPB】1本(14試合) 

ホーナー(ヤクルト)右打ち

【MLB】215本 【NPB】31本(93試合)


1位は2013年、楽天初優勝時の中軸打者として活躍したアンドリュー・ジョーンズ。


大リーグでも本塁打王、打点王になった大打者で、出塁率が高く楽天でも勝利に貢献したものの、2年で退団しました。


2位のフランク・ハワードも大リーグで本塁打王2回の大打者。


身長2mの巨漢だが、日本では膝のけがで1試合に出ただけで退団しました。


開幕前には本塁打数の予想クイズも出されれたが、結果はまさかの「0」になってしまいました。


漫画「あぶさん」では景浦安武とホームラン合戦をしたことになっていたが……。


3位のレジー・スミスはMLB時代は史上最高のスイッチヒッターの一人と言われ、日本では1年目はメジャーリーガーのパワーを見せつけたが2年で退団しました。


4位のアダム・ジョーンズは2021年に25年ぶりの優勝を果たしたオリックスで野手陣の精神的支柱となったが、打者としては盛りを過ぎていて主として代打でした。


5位のラリー・パリッシュはヤクルトに来た1年目に本塁打王、しかし阪神に移籍した2年目で退団しました。


MLBで100本以上打ってNPBにやってきた選手は55人いるが、NPBでの通算本塁打数は平均28.1本に過ぎません。


MLBとNPBでともに100本塁打以上を記録した打者は、1968年~73年に阪神に在籍したウィリー・カークランド(MLB148本、NPB126本)と、同じく1968年~75年まで東京・ロッテ~阪神でプレーしたジョージ・アルトマン(MLB101本、NPB205本)の2人しかいません。


MLBで実績を残した選手の多くは、30代中盤から後半になっています。


多くは盛りを過ぎて、MLBで契約できずフリーエージェントになって日本にやってきています。


それでも長く通用するほど日米の格差は大きくありません。


しかも大物外国人は概ね高年俸で、コストパフォーマンスは良くありません。


なお、日本に来た大リーグ最多本塁打者は、アンドリュー・ジョーンズではなく通算555本塁打を打ち、2017年に独立リーグの四国アイランドリーグ・高知ファイティングドッグスにやってきたマニー・ラミレスということになります。


では、反対にNPBで本塁打を量産した外国人打者は、MLBでどんな実績を残していたのか?


以下、外国人選手のNPB通算本塁打ベスト15のMLBでの実績。


タフィ・ローズ(近鉄~巨人~オリックス)左打ち

【NPB】464本 【MLB】13本

ラミレス(ヤクルト~巨人~DeNA)右打ち

【NPB】380本 【MLB】12本

カブレラ(西武~オリックス~ソフトバンク)右打ち

【NPB】357本 【MLB】5本

バレンティン(ヤクルト~ソフトバンク)右打ち

【NPB】301本 【MLB】15本

リー(ロッテ)左打ち

【NPB】283本 【MLB】31本

ブーマー(阪急・オリックス~ダイエー)右打ち

【NPB】277本 【MLB】0本

レオン(ロッテ~大洋~ヤクルト)右打ち

【NPB】268本 【MLB】不出場

ブライアント(中日~近鉄)左打ち

【NPB】259本 【MLB】8本

ジョーンズ(南海~近鉄)左打ち

【NPB】246本 【MLB】2本

ウッズ(横浜~中日)右打ち

【NPB】240本 【MLB】不出場

ペタジーニ(ヤクルト~巨人~ソフトバンク)左打ち

【NPB】233本 【MLB】10本

マルカーノ(阪急~ヤクルト)右打ち

【NPB】232本 【MLB】不出場

シピン(大洋~巨人)右打ち

【NPB】218本 【MLB】2本

レアード(日本ハム~ロッテ)右打ち

【NPB】213本 【MLB】6本

フェルナンデス(西武~オリックス)右打ち

【NPB】206本 【MLB】0本


NPBで最も多くの本塁打を打ち、王貞治に並ぶシーズン55本塁打を打ったタフィ・ローズはMLBでは13本塁打。


2位で外国人唯一の2000本安打を打ち、野球殿堂入りしたアレックス・ラミレスは12本。


3位でローズと並ぶ55本を記録したアレックス・カブレラはMLBではわずか5本でした。


さらに4位で王貞治を抜く新記録のシーズン60本塁打を打ったウラディミール・バレンティンはMLBでは15本でした。


5位で今に至るNPB史上最高の通算打率.320(4000打数以上)をマークしたレロン・リーでも31本しか打っていません。


ベスト15の中にはレオン・リー(レロン・リーの弟)、タイロン・ウッズ、ボビー・マルカーノのようにMLBでプレーしていないマイナーリーガーもいます。


NPBで100本塁打以上打った外国人選手は62人いるが、MLBでの本塁打数は平均20.1本に過ぎません。


NPBで長く活躍する外国人選手と、MLBで実績ある選手は「別物」と言ってもいいです。


しかし「どの選手が活躍するか、当たりか」はなかなかわからないから、どうしてもMLBの実績を根拠にしてしまいがちなのです。


2020年以降で見ても、MLB通算100本塁打以上の打者は、8人もやってきました。


2020年 ジョーンズ(オリックス)右打ち

【MLB】282本 【NPB】16本(159試合)

2021年 スモーク(巨人)両打ち

【MLB】196本 【NPB】7本(34試合) 

2022年 ガルビス(ソフトバンク)両打ち

【MLB】109本 【NPB】2本(57試合) 

2023年 フランコ(楽天)右打ち

【MLB】130本 【NPB】12本(97試合)

ゴンザレス(オリックス)両打ち

【MLB】107本 【NPB】12本(85試合) 

2024年 アギラー(西武)右打ち

【MLB】114本 【NPB】? 

レイエス(日本ハム)右打ち

【MLB】108本 【NPB】? 

オドーア(巨人)左打ち

【MLB】178本 【NPB】開幕前に退団


2023年のフランコ選手とゴンザレス選手は今季も在籍しているが、どちらも存分に活躍したとは言えません。


それ以前の3選手はすでにいません。


NPBのエース級の投手が、MLBでも通用することはすでに証明済みな一方で、MLBで下り坂になった打者でもNPBでそのまま通用するような時代ではありません。


大事なのは、選手の特性や、マインドを見極めることではないでしょうか。


MLBとNPBの違いを冷静に受け止めて、自ら学び、変わることができる選手が生き残ることができるのでしょう。